はじめに
sigmarionにケースを作ろうと思った。元々作る必要を感じなかったのはsigmarionのデザイン自体がケースを必要としていなかったからだ。
だが結局作ってしまった。なぜだろう。
コンセプトと、デザインと、
とにかく簡単に持ち運べること。元のデザインのイメージを壊さないこと。そう思って、Jornada用と同じタイプののりまきカバーを作った。至って普通の丑やデザイン。オーソドオックスという言い方が適当なのか、定番というべきなのかは微妙なところだが、普通以上、普通未満。

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とてもオーソドックスなデザインだが飽きはこない
オーソドックスなものを創り上げたつもりだが、それ単体では意味をなさない。なぜなら他になかなかあう製品がないからだ。だからCF-CardCaseを作った。これは対の製品である。Jornada用のりまきと対でもいいだろう。

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対の製品であることは一目瞭然
WindowsCE機だけでなく、Zaurus用ケースともあうだろう。またデジカメ用のケースともあうだろう。元々他の製品とのトータルコーディネイトも考えた製品なので、従来のお客様にも満足していただける、いや、より満足していただけるだろう。
次への布石
もう一本作ってみた。自分用に一本。スタイラス留めのもので、Psion5mx用に作ったのりまきをそのままsigmarion用にした。ただし部分的に手を加えている。

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紙モックの時にはPsion5mx用と同じ下留めだった
例えばPsion5mx用では本体の下で留めているものを、センター留めとした。これはsigmarionのデザインにあわせ、サンドイッチに見えるようにと変更している。賛否両論あると思うが、僕自身は気に入っている。確かにカバー率が少ないぶん、傷に対する心配はある。だが、この後にまだPDA向けのキャリングバッグというのを準備している。当然、それに入るべきデザインとして考えているのである。
物語
デザインにはそれぞれ物語がある。僕のイメージとその物語が一つになって出来上がる。
前述のキャリングバッグというのもそうである。僕自身がどういった使い方をするのか頭の中でイメージし、そのイメージの中でシュミレーションする。
モダンな喫茶店に入り、白いテーブルの上にポンっとカバンを置き、そこからsigmarionを取り出す。その時、デザインが頭に浮かぶ。もちろん漠然としたイメージだけで、それ以上のものではない。

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ケースを作るにもイメージが必要なのだ
女性が持ち歩いてもおかしくないデザイン。男性向けでないデザイン、今までにないもの。なぜならそれは今までにないイメージであり、シュチエーションだから。
きっとはじめてそれを見た人は違和感を覚えるだろう。今までにないイメージの提案は決してそのままに受け入れられることはない。だがそのイメージは現実からまったくかけはなれたものではなく、少なくとも僕の頭の中ですでにシュミレーションされたバーチャルリアリティの世界である。
いつかその世界に同じように足を踏み入れる人が、一人また一人と増えてゆき、そしてスタンダードにはならないかもしれないが、理解されるようになる。
そしてそれが僕の物語だ。
もう一つ作ろうか
お客様の多くは手帳型に対する信仰が強い。先日も「手帳型に似たケースは創れないでしょうか?」という質問メールがあった。だから従来の製品を踏襲したデザインをもう一つ考えている。
はたしてそれはまだカタチになっていない。だが、きっと僕がはじめに考えていたサンドイッチデザインの製品に違いない。僕が自分用に作ったのりまきはPsion5mx用があまりにイメージどおりだったことに衝撃を受け、そのデザインをそのままにsigmarion用を作ってみたいという欲求にかられ、カタチにした。
だが元々はsigmarion用にはサンドイッチデザインというものをイメージしていた。だからきっとこのパターンを創り上げれば、今後の丑やデザインの原型にも使えるのではないかと考えている。
もう一つ作ろうか、と思ったのはまさにそのためだ。
機能美
デザインというのは何も機能を削ったものばかりではない。もちろんそれにあったものを作るというのは難しいが、どこかでデザインと機能を両立させることはできる。人によってそれは様々かもしれないが、100人100通りの思いがあるように、ケース一つですべての人を満足させることはできない。

だからこそ僕が満足できるケースを何種類か作っていこうと思っている。少なくとも僕一人でも満足することができれば、それは1/100の確率かもしれないが、”満足”を生み出すことに成功しているカタチであり、機能である。二人目が出てきたとしても何の不思議もない。誰も満足させられないケースではなく、誰かまず一人を満足させるところからはじめればいい。そしてそのはじめの一人が自分であれば、一番わかりやすくていい。
そうしてケースは出来上がってゆく。
2001年11月11日 店長@丑や |