| 「カメレオンマン」 監督・脚本:ウッディ・アレン 出演:ウッディ・アレン、ミア・ファーロー、アドルフ・ヒトラー 原題は「Zelig」、この映画の主人公の名前。はたしてこの映画、コメディなのかそれともドラマなのか。とても難しい問題だ。そしてその答えは映画を観た人が自分で考えてほしい。 ジャズ、フラッパー、危険なスタント、禁酒法、ギャング・・・未曾有の激動に揺れる1920〜1930年代、アメリカに驚くべき体質のユダヤ人がいた。周囲の人々に順応し、精神ばかりか肉体までも変身させてしまうゼリグ。 映画は当時のニュースフィルムを多用して、ゼリグの人生をナレーションでつづり、いろいろな人々のコメントを織り交ぜながら進展する。なぜかこの映画、字幕版なのにナレーションは日本語、しかもこの声はどこかで聴いたことのある声・・・最近ではX-FILESの予告編、古くは木曜スペシャルのUFO特集の時に聴いたあの声である。残念なことにお名前はすっかりお忘れだ。しかし、この声がこの映画をぐぐぐぐっと面白くしていることは間違いない。怪しい雰囲気は一級品だ。(笑) 監督、主演共にウッディ・アレン。相手役には「カイロの紫のバラ」のミア・ファーロー。白黒の映像の中にゼリグが違和感なくいるのはとても不思議な感覚だ。「フォレストガンプ」のようにCGを駆使して作った映像ではないだけに、「フォレストガンプ」以上の感動がある。ヒットラーと同じ画面に登場するのは今までで初めての試みだろう。笑える。 ゼリグが次々と変身していく、というのが話のネタになっているわけだが、なぜ変身するようになったのかという理由が、みょ〜に納得できる。 ミア・ファーロー扮するユードラ・フレッチャー博士の行う実験というのも見物だ。”白い部屋の7日間”と呼ばれる観察記録はしごく笑える。ゼリグの変身した時の様子が観察記録に残っているという設定。ゼリグが医者に変身して、博士と押し問答しているシーンは、録音の音と数枚の写真で構成されているが、その音声からゼリグと博士の様子が手に取るようにわかる。ドキュメントによくある手法をそのまま映画の中に取り入れ(もともと映画自身がドキュメント形式だが)それを誇張することによって、笑いを誘う、しかもゼリグ自身に自虐的なギャグを繰り返させることで、これでもかと言わんばかりに笑わせてくれる。 80分しかないので、けっこ〜サクっと観ることができる。ウッディ・アレンの作品の中で2番目に面白い映画。ぜひ、観てほしい。ただ、けっこ〜マイナーなので置いていないレンタル店が多いはず。かといってテレビ放送も観たことがないし、隣町のレンタルに足を運んででも、探さないことにはどうしようもないかもしれない。あきらめずにがんばってほしい。 オレコレはメジャーな作品紹介のコーナーではないので、当然、探しにくいということは「カメレオンマン」に限らずよくあるはずだ。そんな時はレンタルの店員さんと親しくなって(*注:親しくなりすぎないこと)、常にすばやく場所を教えてもらえるようにしておくことが大切だろう。ただ、多くの場合、ヤな客だ、と思われるのでそのへんは節度をもって質問等するようにしてほしい。 |