「ニューシネマパラダイス」
これはきっと好きな人も多いはず。いわゆる映画の映画。
劇場版と3時間の完全版がある。
大きな違いとしては、主人公トトの恋人との再会がある。
他はたいしたことはない。カットが増えているだけ。
僕個人としては劇場版のほうがいい。
映画全盛の古き良き時代と、トトの成長、そしてそれを見守る
映写技師アルフレードという設定がいい。
映画というものがどれだけ純粋なものであるかを表現するトトの少年時代。
映画全盛の古き良き時代と重なりあう構成はじつによくできている。
そして現代を象徴するトトの生活と、映画館の変貌。
映画だけが娯楽だった時代、映画の中にはいろんなものがあった。
そこにルキノ・ヴィスコンティの「揺れる大地」をもってくるあたり、
トルナトーレのセンスを感じる。
「揺れる大地」という映画は今観るとただひたすら重い内容である。
が、「ニューシネマパラダイス」に登場する村の人々は映画の中の登場人物に感情移入し、
「オレならあんなふうにはしない」などと議論をかわし、そして何よりもキスシーンが
カットされていることを一番大きな問題だと感じている。
彼らには映画の内容が重い、軽いよりも映画を楽しむためにはキスシーンが必須なのだ。
今やキスシーンなんて珍しくもない。映画でもテレビでも、近所の公園でさえキスしている。
しかし、彼らにとって映画の中のキスシーンが娯楽なのである。
純粋に映画を楽しんでいる、僕はそんな印象を強くうけた。
「映画というのはこうあるべきだ!」
ジュゼッペ・トルナトーレ監督は叫びたかったのかもしれない。
自分の映画を観て、”あぁ”とタメ息をもらし、そして”おぉ”と感動してほしい、
と思ったに違いない。映画とは純粋に楽しみ感じるものだと。
時代は変わり、人が変わっても、変わらないものがある。
映画は普遍なのだ。映画を観て感じること、それを忘れてはいけない。
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