「ロストワールド」

 観ようと思ったら「面白くない」と言われた。だから長い間観なかった。

 でもやはり面白いか面白くないかは観てみないとわからない。

 そして僕は観た。・・・面白かった。
 やってくれるぜ、蠅野郎ジェフ・ゴールドブラムに乾杯。

 で、やっと本筋。結局のところ「ジュラシックパーク」の感動にはかなわない。「ジュラシックパーク」の中で恐竜が動いているのを見た時は、”すごい時代が来た”ことを感じた。その後、その手の映像は当たり前になってしまい、「ジュマンジ」あたりでも「ジュラシックパーク」ほどの衝撃は感じなかった。ところが「ロストワールド」では、街中を恐竜が闊歩し、人を食う。そうこれはテーマパーク型ジェットコースター映画というよりは、古き良き時代の「キングコング」的映画なのだ。

 作りもしっかり「キングコング」的で、前半はサイトB(恐竜の島)への恐竜狩りの旅、後半は街中での恐竜との戦いという定石通りストーリー展開。悪者とおぼしき登場人物はことごとく食われ、最後には前作でジュラシックパークという危険なテーマパークをおっ建てたハモンド氏が”恐竜島の危険性”を演説するという、普通に見てたらプチっとこないはずのない終わり方をする。

 しかし、そんなことを気にしてはいけない。映画は古典的、観客も古典的な感性で、この映画の矛盾をすべて胸のうちにしまわないといけないのだ。素直に”怖い”という感覚を受け止め、ストーリー展開を気にかけることなく、おおおっとTレックス相手に驚き、ラプトル相手にはらわたをさらけだせば、世界は一気にバラ色だ。

 そもそもジェフ・ゴールドブラム扮する数学者マルカムがなぜ探検隊に参加しないといけないのかがわからない。前作ではマルカムはハモンド氏に対し批判的だった。ところが今回はなんやかんや言いながらもハモンド氏に従って探検隊に参加、自分の彼女という古生物学者を助けに行くというストーリー展開。そしてまたこの古生物学者がはた迷惑なやつでどうしようもない。見せ場もないが救いもない。自分勝手に走り回ったあげく、Tレックスの子供を助けてみたりする。おかげで探検隊の一人は食われるし、トレーラーは破壊され、みんなが迷惑することになる。なぜ食われなかったのかが一番わからない。

 それくらいむちゃくちゃなストーリー展開をする。前作がマイケル・クライトン原作で、けっこ〜緻密な(実際そうでもないが)作りだったのに、今回はざっくばらんにすべてを忘れろというのは都合のいい話だが、すっかりそんなことを頭の中から、心の中から消してしまわないことにはこの映画は見られない。

 しかし、すべてをからっぽにしてこの映画を見ると・・・

 思った以上に面白く、おおおっとラプトル相手におびえることができる。じつはTレックスはそんなに怖くない。子供を求めて歩き回る姿は「キングコング2」の1シーンのようにも見える。どうがんばってもキングコングの呪縛からは逃れられないのが「ロストワールド」の運命らしい。それくらい古典的だというのが本当のところかもしれないが。

 映画の基本は”面白くない”という先入観で観ることなのかもしれない。そうすればたいていの映画は面白く、金を払って観る場合も払わずに観る場合もいくらか納得できる映画として観ることができる。「ロストワールド」も理屈なんかこれっぽっちも考えちゃいけない。面白くない、理屈はない、という先入観で観れば僕のように楽しむことができるはずだ。

 

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