「コンタクト」 CONTACT
監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー

あらすじ
 南米、宇宙からのメッセージを日々待ち続ける科学者。しかしプロジェクトは打ち切りを余儀なくされる。科学者たちはなんとかプロジェクトを続けようと必死にスポンサーを探す。スポンサーがみつかりプロジェクトを続けることができたが、それも長くは続かない。あと数日で施設を明け渡さないといけない。とその時、砂漠の巫女の耳に宇宙からのメッセージが降り注ぐ。
 宇宙からのメッセージの解明、そして送られてきた設計図を元に宇宙船が建造される。これに乗って宇宙の旅するのは誰なのか?宇宙の謎は解き明かされるのか?

 SFのはず。だけど、それにしてはなんだか感じが違う。SFという概念、「ブレードランナー」や最近では「フィフスエレメント」といった類のSFではなく、もちろん「エイリアン」のようなSFホラーでもない。「E.T.」にしては子供ウケするエッセンスに欠け、なにかと”恋愛”を持ち出してくる宇宙を舞台にしたロマンス映画とも違う。ジャンル分けするには非常にむずかしい映画だ。
 ロバート・ゼメキスといえば「フォレストガンプ」も監督している。これはこれで素晴らしい映画だがこの映画もジャンル分けがむずかしい。ドラマというにはコメディに近い気もするし、かといってドキュメントかといえばそうでもない。ただ、どちらの映画もとても素晴らしい映画であることは確かである。
 もしこの二つの映画を観て面白くないと思った人がいたら、一歩さがるような気持ち、面白い映画を観ようという気持ちではなく、絵を観るような気持ちで観ていただければ少しは面白く観ることができると思う。

 あらすじを読んでもらっても僕の表現力のなさもあってたいして面白そうに見えないと思う。実際映画の半分くらいは宇宙からのメッセージを”待つ”だけの映画なので面白く見えるはずがない。しかし、この”待つ”だけをよくこれだけの時間、しかも飽きさせずに観させたというところにロバート・ゼメキスの才能がうかがえる。そしてこの映画は今までにないSFとしてまさに成功したといっていい。
 この映画が優れているのは待っている人のところに待ってたメッセージがくるということころだ。たいていのSFはサイエンスフィクションのフィクションの部分を多用し、主人公となるべき人のところへある日突然宇宙人が現れる。ところがこの映画では待っている科学者、しかもちゃんと待つ理由のある科学者のところにメッセージが届くのである。これはある意味画期的だ。なぜ彼女でなければいけなかったのか、そして彼女だったからこそメッセージを受けることができたのかがみょ〜に納得できる。これはそれだけ映画とキャラクタの作り込みがよくできているという証拠だろう。
 しかもさすがロバート・ゼメキスだけあってユーモアも忘れてはいない。日本の基地内の様子はユーモアというには「ライジングサン」のショーン・コネリーくらいふざけているが、大統領が演説をするシーンでクリントン大統領のそっくりさんが出てくるあたりは最高のジョークでありユーモアと言っていいだろう。他にも笑えるシーンがいくつかある。詳しくはストーリーに触れる部分もあるので書かないでおくが、ゲラゲラ笑うことはないにせよ、ニヤリとするシーンはいくつかあるのは確かである。
 配役についてだが、主役のエリー・アロウェイにはジョディ・フォスター、彼女の知的な魅力をよく引き出し、科学者役というのは今までにないハマリ役。相手役には「評決のとき」のマシュー・マコノヒー、これがまた宗教家という役柄がよくあっている。南米にいる時のほうが怪しくていい感じだが、アメリカに戻ってきてからはキリリとキメて、突然大統領の宗教顧問というよくわからない役職につく。政府関係者の役人として出てくるのがジェームズ・ウッズ、このへんがとおおおっても渋くていい。この渋い役に渋いジェームズ・ウッズをあてるセンスはまた素晴らしい。