「コン・エアー」
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
出演:ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、ジョン・マルコビッチ

 この監督、「Uボート」の監督さんです。「ネバーエンディングストーリー」は原作者のミヒャエル・エンデも自分の原作じゃないと訴訟起こしたくらいイマイチのデキでしたが、「Uボート」の他にも「アウトブレイク」「エアフォースワン」などどれもデキのいい映画。地味かもしれませんが非常にいい監督さんだと思います。
 似たような監督で「ストリート・オブ・ファイヤー」のウォルター・ヒル監督がいます。地味なんですけどいい映画撮ります。どちらも死ぬまでに一度はあってみたい監督です。

 それはさておき本題。「コン・エアー」、この映画がいいところは、監督をはじめ、流行のニコラス・ケイジ、地味だけどじつはけっこ〜いい役者のジョン・キューザック、そして名脇役のジョン・マルコビッチ、最後に一番おかしな奴の役でスティーブ・ブシューミというぴったりハマった配役には拍手をおくりたくなります。しかも役者が役を演じきっている感じがいいです。アクション映画なのでストーリー的にはォィォィとツッコミを入れたくなる部分もありますが、キャラクタを見ているとそんなことはどうでもいいくらい面白く観られるのが不思議です。
 とくにいいのがジョン・マルコビッチ演じるサイラス。極悪人ということですが、これが本当にぴったりハマってます。「ザ・シークレットサービス」の悪役もよかったですが、これもいけます。「ザ・シークレットサービス」の渋い悪役とは対照的に派手な悪役なので違和感があるかもしれませんが、そんなことはサイラスの髪型がすべてを忘れさせてくれます。この映画に欠かせない役者であることは間違いありません。
 髪型でいえばニコラス・ケイジも負けてはいけません。ロンゲです。またこれがすごいロンゲで強烈です。軍隊あがりのたまたま居合わせた変な奴ですが、あれだけロンゲならそれだけで終身刑にさえなりそうなインパクトがあります。もともと乱暴者だったという伏線がみょ〜に納得できてしまうと同時に”やっぱりな”と相槌をつきたくなるくらいそのまんまのストーリー展開でオープニングからわずか3分でスピード逮捕となってしまうわけです。この時はロンゲではなくいつもの”ハゲ”のニコラス・ケイジなんですが、オープニングの作り方は「ザ・ロック」を思わせるものがあります。どっちの映画もニコラス・ケイジは”ハゲ”でのほほんとした顔をしているのに奥さんは美人という点で同じです。ニコラス・ケイジがはたして男前か?とても大きな疑問ですが、常に奥さん役は美人なのです。
 そしてこの映画のコショウ的存在といえばスティーブ・ブシューミ。スティーブ・ブシューミといえば「レザボア・ドックス」でタランティーノと共にブレイクした”脇役”ですが、この人ほど変な役をやらせたらぴたりとハマる俳優さんも珍しい。唯一ちょっとまともな役だったのが「レザボア・ドックス」と「デスペラード」の変なタレ込み屋(やっぱり変なんだ)。「デスペラード」ではさっさと殺されてしまうし、「ファーゴ」に至っては劇中、「変な顔の人だったわ、それに割礼もまだだった」とまで言われる始末。最近の映画で変な人といえば、この人と元祖変な奴ジャック・ニコルソン、そしてハンニバル・レクターことアンソニー・ポプキンスくらいでしょう。しかし、あとの二人はギャラがバリ高そうですので、結局スティーブ・ブシューミの独壇場というのが現実のように思えます。今回は見た目普通の人(はじめわからなかったくらい)で過去に何十人も殺したという超極悪人役。ギョロギョロとした目がいいです。ただなかなかいいんですが、ちょっと笑い方が軽い。かといってジャック・ニコルソンの笑いではまんまだし、アンソニー・ポプキンスでは年をとりすぎてる。ここでもやはりちょうどいいのはスティーブ・ブシューミということになってしまうのです。
 最後にジョン・キューザックについてですが、僕はじつはこの人、名優なんじゃないかな、などと思っています。「グリフターズ」の詐欺師がなんといってもよかったですが、今回もなかなかぴったりハマってました。もうちょっといい役が続いて主役が少しでもまわってくるようになれば一気にブレイクすると思います。ま、そこまでカリスマ性がないのできっとダメなんだとは思いますが。
 結論としてこの映画、ニコラス・ケイジは除いて僕の好みにあっているから人にお勧めしたいんだな、と思います。もともと「なぁんだ、またニコラス・ケイジだ、流行だねぇ」と思って今まで敬遠していた映画だけにニコラス・ケイジはけっこ〜どうでもよかったりするんですが(主役なのに)、監督といい脇役といい、錦市場の魚屋同様いいのが揃ってます。品揃えよくうまくまとまった映画は観ていてやっぱり面白いです。きっと5年くらい前に作っていたら主役はダイハードマン・ブルース・ウィリスだったんだろうなぁ(笑)

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