「許されざる者」
クリント・イーストウッド主演の西部劇のほうである。オードリー・ヘプバーンのナニとは違う
ので注意していただきたい。
さてさて、その昔、「荒野の用心棒」で名を馳せ、「ダーティハリー」シリーズといったアメリカ
の千葉真一といえばやはりクリント・イーストウッドだろう。いわゆるアメリカの今やおやじな
アクションスターである。それが久々に西部劇に戻ってきた。しかも今回は自らプロデュース
その心意気を知ることができる。
で、物語は・・・
その昔、ウィリアム・マニーという殺人鬼がいた。そんなマニーも今では見る影もない。
しかし年老いた彼のもとに若いガンマンが賞金稼ぎの話をもちかける。小さな二人の子供
と貧しい農場で苦しい生活をしていたマニーはやむなく銃をとる。一方、町では保安官が
やって来る賞金稼ぎたちを片っ端からぶちのめしていた。マニーの相棒ネッドが殺された
ことでマニーの昔の影がよみがえる。
といった内容。
マニー役は当然、クリント・イーストウッド。相棒ネッドにはモーガン・フリーマン。対する保安官
にはジーン・ハックマン。みんながみんな年寄りだけに激しいアクションシーンはない。しかし、
どうしたわけか面白い。だが、50年後、この映画を観た人が面白いと思うかどうかは非常に
疑問である。なぜなら、僕らは現代に生き、リアルタイムにクリント・イーストウッドを知っている
し、モーガン・フリーマン、ジーン・ハックマンも知っている。だからこそ面白い部分も少なからず。
マニーにはクリント・イーストウッドの影がある。だんだん年老いて行く荒野の用心棒を、僕らは
観てきたからそう思える。ある意味、ラッキーだということ。今観ないと面白くないかもしれない。
ジーン・ハックマンもなかなかイカす。顔が悪い奴だ。しかし保安官。やってることも悪くない。
確かに賞金稼ぎたち(悪者)に対しては容赦がない。かといって町の人を同じように扱うかと
いえばそうではない。いい保安官のはずだが、観ている側からすると悪者だ。スゴ腕であると
いうのもイングリッシュ・ボブとの会話からわかる。ケビン・コスナー主演でやっていたら、こう
はいかない。なによりケビン・コスナー保安官、クリント・イーストウッド悪党という設定では、
逆「パーフェクトワールド」それもつまらない(笑)。
モーガン・フリーマンも最近大ブレイク中なのかな。トミー・リー・ジョーンズについでよく出て
いる俳優の一人かもしれない。そのくせ、イマイチ超大作に出ていないような気がするのは、
トミー・リー・ジョーンズとの共通項か。黒いトミー・リー・ジョーンズと認識しておきたい。そんな
中で、この「許されざる者」はしごく大作かもしれないが、このネッド役ではイマイチ見せ場も
なく、どちらかというとしょぼい。ま、それでもいい味は出している。味の素みたいな役かも
しれないのでそう悲観することはない。
見せ場は、やはりマニーが悪党の影を取り戻したあたりから。はじめのほうはあくまで伏線。
最近、じじいになってしまったクリント・イーストウッドだが、最後の最後はキメてくれる。物語
調のナレーションが入って終わるのだが、これ自身は蛇足のような気がする。ま、悪くはない
ので特別大きな声で言うようなことではない。
ただ、この映画、単体で観てもけっこ〜つまらないような気がする。少なくとも2,3本西部劇を
観てから観たほうが面白さは倍増するだろう。とりあえず、主観だが観ておいたほうがいいと
思われる西部劇を書いておく。
| 「荒野の用心棒」 |
★★★ |
マカロニウエスタンの傑作 |
| 「ペイルライダー」 |
★★★1/2 |
イーストウッド監督・主演 |
| 「荒野のストレンジャー」 |
★★ |
あまり面白くないけど・・・ |
| 「クイック・アンド・デッド」 |
★★1/2 |
ジーン・ハックマンはここでも保安官 |
「クイック・アンド・デッド」のみイーストウッドは出ていない。「許されざる者」を観た後で観ると
「クイック・アンド・デッド」はけっこ〜面白い。シャロン・ストーン主演、レオナルド・デカプリオも
共演というある意味流行の映画。
「荒野の用心棒」「ペイルライダー」は2本セットで観ると面白いはず。当然順番も重要。
じつは面白くないけど「荒野のストレンジャー」はけっこ〜重要。「許されざる者」のルーツが
そこにあるような気がする。
この他にもやはり黒澤明の「用心棒」は観てほしいところ。映画は観てほしいと言い出すと全く
キリがないが、これも勉強。勉強してなんの得になるとも言えないが、映画がどんどん面白く
なるはずなので、暇があったら全部観てみるといいかもしれない。
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