「告発」
囚人モノが続くが別に他意はない。
おもしろくないという話だったので、僕の中で長く封印されていた映画。
でも、しかし、これがけっこ〜面白い。欲をいえばもっと演劇的な要素が
あったほうが面白かったように感じた。カメラ、言い回しなどなど。
内容としてはたった5ドルを盗んで捕まった囚人。アルカトラズ刑務所で
非人道的な扱いをうけ、精神的なことから殺人を犯してしまう。当然、裁判でも
重い刑が言い渡されるはずだった。ところが新米弁護士が事件の担当に
なったことで裁判は意外な方向へと進んでいく。
囚人には猿顔ケビン・ベーコン、新米弁護士にはクリチャン・スレーターという
顔合わせ。ケビン・ベーコンは青春映画に多く出演していたが、どちらかというと
悪人顔なので、こういった囚人モノのほうが似合っているように思う。
ちなみに「ア・フュー・グッドメン」の中では検察側の人間として犯罪者を
裁く立場として登場するが、明らかに「告発」の囚人のほうが似合っている。
映画としては123分もあるが、本気で編集すれば110分くらいには収まっただろう。
どうもいらない話が多いように感じた。
オープニング、裸で横たわるケビン・ベーコンを上から映している映像。
さながら観ている人間が神であるかのようにも感じられる映像だ。
次に囚人の体に水がかけられ、虐げられる様子が映し出される。
映像的にはしごくショッキングだ。オープニングのつかみはおっけーというところか。
クリスチャン・スレーターのナレーションが入り、映画がはじまる。
うまいのはクリスチャン・スレーターのナレーションではなく、ケビン・ベーコンの演技。
クリスチャン・スレーターはイマイチ弁護士っぽくなく、他の役者でもいけたような気がする。
ケビン・ベーコンの囚人こそ、この映画を面白くしているのだ。
猿が檻に入っているのは当たり前だ。猿顔でも同じである。
観ている人に違和感をあたえないのは、非常に効果的な演出と言っていい。
物語として観るには、少々荒削りな部分が多いのでアルカトラズ刑務所を閉鎖に
追い込んだドキュメント映画として観るのがこの映画の一番いい見方。
弁護士と囚人の間に奇妙な友情が生まれるが、これも話が深くなる前に
映画が終わってしまうので、物語にしては浅いと言わざるをえない。
「穴」のように冒頭に”この映画は真実です”とかなんとか、実在の人物を
登場させればさらにドキュメント性が高く、完成度もグっと高かったに違いない。
残念な部分もあるが、アルカトラズ刑務所のドキュメント映画としては、
とてもよくできている。アメリカ史の一部を勉強にするつもりで観てほしい。
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