「ショーシャンクの空に」と「穴」

「ショーシャンクの空に」という映画は多くの人々を泣かせたはずだ。
ティム・ロビンス主演の監獄版おしん物語。耐えて耐えて耐えて・・・
最近、そこらじゅうにでてくるモーガン・フリーマンも共演。
一番好きな映画にあげる人も少なくない。

「ショーシャンクの空に」を観た人は多いと思う。
では、「穴」という映画はどうだろう?

「穴」はアメリカ映画ではない、フランス映画。しかもモノクロ。とても古い。
ジャック・ベッケル監督の作品でこれも脱獄モノ。
一見、脱獄モノという以外、「ショーシャンクの空に」とは関連がないように思える。
しかし、「ショーシャンクの空に」は明らかに「穴」の影響をうけている。

冒頭、「これは実話である」と元囚人が画面に現れる。
じつは実録モノでもあり、ドキュメント性も非常に高い。
こういう前置きがあると観客はぐっとのめり込むことができる。
監督の見せ方のうまさを感じる作りだ。

4人のクセのある囚人たち。彼らは脱獄をくわだててる。
穴を掘り、時を待ち、ただただまた穴を掘り続ける。
カットは基本的に3つ。獄中、所長室そして穴。
カメラが映し出すのは4人囚人の個々の顔と性格。

主役が一人でないところが「ショーシャンクの空に」とは決定的に違うところ。
しかし、それぞれの囚人の一人に自分を置き換えることができるので、
観ていてこっちもドキドキする。
詳しいことは監督に聞かないことにはわからないが。

で、一人、一人、みんなクセ者。なんといっても相手は囚人。
みんなが心から信用しあえないのだ。誰が裏切るかもわからない。
そんな状況の中で、どんどん穴は深く、先へと進んでいく。

看守が通りすぎる、隠れる、穴を掘る、の繰り返し。
単調なはずの画面を”穴を掘る”という一点だけで見せているのだ。
しかし観ている人間はそれには気がつかない。

「ショーシャンクの空に」は話が脇にずれることが多かったように思う。
刑務所の厳しさを観ている人間にわからせるために、ティム・ロビンスは
おしりをも捧げるのである。あまり喜ばしい画面ではない。

ラストではどちらもアっと驚く展開に。
二つの映画の時代も国も違うが、みょ〜に似ているところが多いのだ。
「穴」という映画の中に「ショーシャンクの空に」へのルーツがある

ヒマがあればぜひ観てほしい2本である。

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