M3ノススメ 絶対零度

バスフィッシング
 先日バスフィッシングというものにはじめて挑戦した。バスフィッシングのバスとはブラックバスのことだ。いったいそんな横文字の魚がどこにいるんだ?と思うが、なんと琵琶湖にいっぱいいるらしい。この魚の繁殖力(というより食欲)はものすごく、数年前まではコイとフナ、それにゴリの宝庫だった琵琶湖でどんどん増殖している。きっと誰かがブラックバスを放したのか、それとも空から卵が降ってきたのか。きっと前者であろうが、とにかくこいつがコイだフナだゴリだと全部を食い尽くし、今やブルーギルと共に琵琶湖の覇者となってしまった。関西圏以外には日本一大きな湖としてしか馴染みのない琵琶湖だが、関西圏ではバスフィッシングのメッカであり、また夏には危険ながらも水泳までもできる日本一大きな湖であると同時にそれ自体が一大レジャー施設となっているのだ。そんな琵琶湖でバスフィッシングを楽しんだわけだが、結局のところまったくの坊主で魚影さえ見ることはできなかった。もっとはじめから本腰入れて調べておけばよかったものを、何も調べずに出陣した結果の坊主だった。しかしそれで諦めたわけではなかった。向こうについてからM3でインターネットに接続、バスフィッシングのページをいろいろ見てまわった。せめてポイント情報くらいはあるだろうと探ってみたのだ。しかし結果はさんざんでポイントとして載っていたもののほとんどはボートで沖に出ることを要求するものだったり、もっと早い時間に出陣しなければ魚の影すら見つからないという悲しい報告だった。さらに温度が高いとブラックバスは上にあがってこないらしく、水温計まで持っていくべし、と書かれていた。そうバスフィッシングもパソコンも温度が大切なのだ。

温度
 M3はけっこ〜簡単に落ちる。これは落下するという意味ではない、システムダウンするということだ。もちろんこれは僕が使っている環境がI/Oポートの上に乗せているからだったりもするが、それにしたってよく落ちる。マシンを動かしたまま用事をすませ、ふと画面を見ると真っ白になって落ちるということがよくある。ただこれについてはソフトウェアクーラーであるRAINなどを入れることで少しは改善されることがわかっている。しかし、RAINを導入しているにもかかわらず、この秋になって逆に夏より落ちるようになってしまった。これは解せない。そこでいったいなぜだろうと考えてみた。そしてふと思い当たることがあった。それは先日の白いLibrettoにスケルトンキーボードをつけているため、現在M3のほうにはノーマルのキーボードがついているのである。ノーマルキーボードとスケルトンキーボードでは見た目以外にも違う部分がある。当然といえば当然だが材質が違うのだ。そしてこれが今回落ちるようになったこととかかわりがあるらしい。

 温度計で計れば万全なのだが、前述の如く僕は水温計も持っていなければ、部分的に温度を計るような温度計も持っていない。あるのはテルモの電子体温計くらいのものだ。これで計ってもいいのだが普通体温計というと42度以上は計れない。計れるもなにも人間様は42度も熱を出すと死んでしまうという理由から42度以上は計る必要なし、となっているらしい。そんな体温計で致死体温以上にあがっているであろう温度をわざわざ計るというのも無謀というものだ。

 とにかくそんな無茶をするまでもなく、実際ノーマルキーボードの時のほうがスケルトンキーボードの時よりもよく落ちるのである。夏場はずっとスケルトンキーボードだったわけで、それが今になって落ちるようになったというのはイマイチ解せない。じつはスケルトンキーボードというもの自体が冷却に大きな役割を果たしているということがわかったのである。
 エジソンは言った。

「発明とは99%の努力と1%のひらめきである」

 ひらめきがあったわけではないし、努力したわけでもないが、”偶然”というものはそれにも勝る発見である。今回の発見がはたしてコロンブスの新大陸発見よりも素晴らしいことかといえば人によってはそうであろうし、そうでない人も当然いるだろう。コロンブスが発見した新大陸にインディアンがはじめから住んでいたのだから発見じゃないといえばそれもまた真なりというのと同じである。

冷却
 冷却する際、非常に重要なのが空気の流れである。話は突然唐突にまったく違う方向にそれるが僕はNLX規格のデスクトップを使っている。NLXの筐体はデスクトップとはいえ非常に小さい。もしかすると大型のノートPCよりも小さいかもしれない。その中にデスクトップ用のパーツがぎっしりと詰まっており、おまけに僕はCPUをクロックアップ、さらにはビデオカードまでクロックアップして使っている。当然そのままでは熱が中にこもってしまい、熱暴走する危険が多分にある。そこで僕はこの筐体の中に大きめのファンを一つ取り付けた。はじめは吸気していたのだが、吸気用としてファンをつかうと結局中の熱を逃がすことができず、熱風を循環させるばかりで効果がなくよく熱暴走した。そこで逆にファンを反対に取り付け排気用のファンとすることでマシンが安定するという結果になった。空気の流れを変えるということはそれだけでマシンを安定させることができるのである。

 M3や多くのノートパソコンの場合、NLXの筐体よりもさらに小さいところにいろんなものが詰め込まれ、熱に対して非常にシビアな環境で動いていると言っても過言ではない。当然そんな場所にファンを取り付けることは難しく、如何にして冷却するか、ということが大きな課題となってくる。現在考えられる冷却方法としては、一番簡単なモノがソフトウェアクーラー、そして次にハード的に加工を加え、本体にスリットを開けるなど実際効果がありそうなことをするのが一般的だ。ただM3の場合、ハード的な加工を加えて失敗した場合、液晶部分はともかく、本体部分についてはパーツを手にいれるすべがない。もちろん加工した時点でメーカー保証はなくなってしまう。慎重に慎重を重ねて加工しないといけない。スリットの件についてはここを参考にするといいだろう。ページの主催者であるTOKUさんは冷却のために熱伝導率のいい萩焼でM3の筐体を作ろうとしたという強者である。そのことからもただ者でないことがうかがえるが、萩焼での実現が難しいとなるとM3の側面に美しいスリットをあけM3の熱問題をいとも簡単にクリアしてしまったという伝説の人物である。僕には決してできないがプロフェッショナルにはたいして難しいことではないらしい。ページを見るかぎりとても美しい仕上がりでそれがデフォルトだといわんばかりである。一見の価値ありである。

 今回のレポートはこうした一般的な方法に加え、裏技的な発想でスケルトンキーボードに交換すればさらに冷却に対して万全だ、ということを伝えるために書いている。とはいえ結局ハード的な改造ができないのでそういう小手先の技で勝負しようというのも事実である。しかしスリットをあけたうえにスケルトンキーボードに交換すれば、さらに冷却効果があることもまず間違いない。実際ほんとに効果があるかどうかは温度計を持っていない僕にはなんとも言い難いが、逆にそうでないと言い切ることもできない。実際すでに断言に近い形で”まず間違いない”とまで書いてしまっている。今更何を言ってもはじまらない。あとはやるだけなのである。

ギャランドゥ
 現在ちまたではM3の投げ売りがはじまっている。これからまたM3ユーザーは一気に勢力を増していくことだろう。僕がM3を手に入れたのはかれこれ1年近く前のことだが、当初はサポート体制が整っていなかったり、なぜか一度投げ売りされた後値段が上がっていったりということもあって思った以上にユーザーが増えなかった。それでも警備員コスナーさんはじめとする有志のおかげもあって、徐々にユーザーが増え、さらには改造のノウハウが蓄積されていった。現在あるLibrettoの中では一番改造の幅が広い機体ではないだろうか。

 今回のテーマである冷却ということについても警備員コスナーさんは早い時期からがらんどうのM3のキーボード下にヒートシンクをつけるという方法を開発されていた。はたしてそれに加えてスケルトンキーボードが役にたつかどうかはわからない。しかしこれからM3を使っていこうとする人たちにとってそうした技の数々は大きな可能性の一部になりえると言っていい。実際にスケルトンキーボードにしたら落ちなくなったという人が一人二人と出てくれば、今回のこの方法が正しかったと証明されるだろうし、逆に効果なしということがわかればそれもまた前進であると言える。

 錬金術という絶対に不可能な科学があったように、M3にそれが有効であるかどうかは後になってみたいとわからないものが多いのである。錬金術が不可能なものだからといってそれが有効でなかったかといえばそうではない。錬金術で金を作ることは不可能であっても他の可能性が花開いたということも少なくない。結局どれだけ実験を重ねるかによってその可能性が有効かどうかを確かめることができるのである。

 だからこそいろんな可能性を試してほしい。僕が書いているのは所詮戯言でしかない。しかしその戯言ももしかすると真実かもしれない、というあたりに可能性を見出していただければ、少しは楽しく読んで頂けるのはないだろうか。

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