| M3ノススメ CE機との比較 はじめに 今回「M3ノススメ CE機との比較」と題してこれを書いているが、そのほとんどがWindowsCEの使用レポートのような内容になっている。はじめに断言しておくと今回M3の出番は非常に少ない。もしM3の活躍をご期待されるようであれば次の機会にお願いしたい。今回は僕がWindowsCE機をいかにして手にいれて、そしてそれを使いはじめ、長所・短所を見出していく過程の中の中で、いろんな発見をしつつも前進するという苦悩と葛藤の日々を描いた感動巨編となっている。それをふまえたうえで軽く読み流していただけると憤りも少しはおさまり、石を投げることなく最後まで平静に読んでいただけるのではないかと思う。 では早速・・・ WindowsCE機 WindowsCE機というとPalmユーザーの敵であり、Windows9xの出来損ないで、砂時計が山ほど出て、Wordの起動に3分かかると言われる超スゴイOSを使った電池食いのPDAというにはえらくデカイ、いったい何を目指して作られたのかさっぱりわからないそのくせ値段の高い機械、くらいの認識が一般的だろう。実際僕も手に入れるまではそんなふうに思っていた。確かに一部のWindowsCE機はそれなりの速さだなぁ、くらいには感じたものの、それがはたして使えるかどうかということになると、懸念を抱かずにはいられなかった。 しかし、まったくひょんなことから僕はWindowsCE機を手に入れる。それはWindowsCE2.0機で、今はポスペ入りATOK入りを売りにしているみょ〜にいびつでへんてこな形のPERSONAの初号機であった。当然ポスペもなければATOKもない。ただメモリが32Mとフル装備されており、なんとなく使えるような気がしたことがことの発端だった。しかしながらもらったPERSONAは電源ボタンを押しても沈黙しているようなそんな機体だった(だからもらったんだけど)。結局、もらったその足ですぐに電気屋に駆け込み修理を依頼した。この時の僕は最悪修理して多少かかったとしても売り飛ばせいいや、というその時はえらくいい加減な気持ちだったことをここに告白しておく。 1週間ほどして修理から戻ってきたという知らせを受けて電気屋に走る。ラッキーなことに修理代は請求されなかった。じつはまだ発売から一年たっていなかったらしく、保証書がないにもかかわらず、無償修理で戻ってきたのだった。そしてこの無償修理に気をよくした僕は試しに使ってみよう、なんてことを考えたために後々MC-R300を購入するきっかけになったのだった。 と思いつつも気を取り直して、XJackのPCカードモデムでもう一度設定をやりなおしてアクセスを試みる。するとどうだろう内蔵モデムの時と違ってこれがけっこ〜サクサク動く。サクサクという表現は適当ではないかもしれない。トロイながらもそれなりに動く、ナメクジではひどすぎるがハイスピードモードのカタツムリといった感じのスピードだ。一瞬速く動くカタツムリ、それがまさにWindowsCEのファーストインパクトだった。 そしてこれはけっこ〜イケるんじゃない?などと調子に乗った僕は自分用に適当なWindowsCE機はないかと物色しはじめた。折しも友達がMC-R320をBUYし、それがけっこ〜速かったことからWindowsCEにもいろいろあるんだね、ふ〜ん、などとのたまわりつつもけっこ〜真剣にWindowsCE機を考えることになった。 CASSIOPEIA A-60というのも考えた。CF+PCMCIAスロットに小さなボディ、ハーフVGAという仕様は非常に魅力的だった。しかしこのマシン、値段は安くない、しかもSH系のCPUなので遅く、さらにRAMが8M(増設不可)という切りつめた仕様で、何かしようと思った場合に8Mというメモリの少なさがネックになるのは目に見えていた。それでも中古で2万くらいならこれにしようかなどと考えていた。たださらに問題なのはCASSIOPEIA A-60がもし使いやすかった場合、Librettoの立場というのがなくなってしまう。持って歩くにはCASSIOPEIA A-60のほうが小さくて電池が持ち、必要最低限の機能は揃っている。Librettoがいくらまともなパソコンだからといって外で使うのはメールの送受信とブラウザがほとんどである。まあ、遅いマシンなのはわかっているので結局Librettoを持ち歩くとは思うけれども・・・どうせなら違う用途のマシンが欲しかった。 と、その時であるαランドの得得ショップにてMC-R300が安売りされているのを発見する。さすがにドコモバ2の投げ売りと違ってそれなりにまともな値段だが、MC-R320をBUYするよりは安く、さらにMC-R300はCF+PCMCIAスロット、それにバックライトがついていた。液晶自身は映りこみするのでたいそう見難いという評判だったが、僕にはCFスロットとバックライトのほうが大切だった。MC-R320はMC-R520とスペック自体はほぼ同等だが、カラー液晶がモノクロに変更されたのみならず、コスト削減のためにCFスロットとバックライトまで削られ、僕がほしいところがちょうど削られたちょっと大きいWindowsCE機だった。だからこそあの時、MC-R300が安売りされていたことはまさに奇跡といってよかった。 これであとはMC系ではなくWindowsCE1.0の時に存在したCS系のMobileGearだったら僕はどんなに満足していたことだろう・・・きっとモバ2友の会とかCE朋友会とかイキつくところまでイってブレイクしていたことに違いない。しかし残念なことに現在売られているMobileGear2シリーズはお世辞にも小さいとは言えないマシンだった。そしてこのフルサイズのラージキーボードがついているというところに僕はLibrettoとの棲み分けを見いだそうとしたのであった。Librettoのキーボードは確かに慣れれば打ちやすい。しかしテキストを打つためだけにマシンを立ち上げるということが、またすぐに電源をオン/オフできないことが僕の”書きたい”という欲求の妨げにもなっていた。だからこそいつでもどこでもオン/オフできるというWindowsCE機に惹かれたのであった。そして大きなキーボードにMobileGear2の活用の道を見出そうとしたのだった。そしてさらに限定2000本だったCE版ポスペまで手に入れて、僕のWindowsCE道は今まさに切り開かれようとしていた。 Librettoは非常に優れたWindows9x搭載ミニノートである。別にこれはWindowsである必要はない。DOSも入るし、Linuxも入る、BeOSだって大丈夫だし、DOS上でMacのエミュレーターだって動く。そういう意味では非常にOSの選択肢の多い小さなDOS/V機と言っていい。これに対するWindowsCE機はその名の通り、WindowsCE一本(一部エミュレーターも動くようだが、もとが遅いのでスカスカ動いて実用になるにはまだあと半世紀は必要な気がする)だ。だがWindowsCEはROMで供給されているため、書き換えはできないもののOSがクラッシュする心配はない。もちろんこれは物理的なクラッシュを除いて、である。それぞれのOSに長所短所があり、一概にこちらがいい!とは言えないので今回比較する意味はちゃんとここに存在するのだった。 ただ、しかしWindows9xとWindowsCEの短所を比較すると、WindowsCEの短所にはモバイルマシンとしての立場を否定するものではないことがわかる。ある程度使えればOSをアップグレードする必要はないし、カスタマイズなんてものは趣味の範囲の問題である。母艦が出先で必要になることはほとんどなく、Windows9x機よりも価格は安い。他のPDAより遅くて高くてもある程度の速さであればそれを否定する材料にはなりえない。極端な話、ポケットボードからWindowsCE機であればATOKポケットが使えるぶん、WindowsCE機のほうが随分賢く思えるはずだ。それにブラウザもいけるポスペも入る、ということになれば、一般ピープルのステップアップの道順としては決してWindowsCE機は間違っていないように思う。 思えばPalmPilotにはじめて出会った時もボタン一つでHotSyncすることに感動し、そのGUIに非常に好感を持ったことを憶えている。自分用のカスタマイズが可能な電子手帳というのが僕の心にびびびっときた。PalmOS機はあれからオンラインソフトが爆発的に増えたことでさらに使い勝手が向上しカスタマイズ性が増していって、魅力的なマシンとなった。もちろん速かったということもその一因である。 WindowsCE機をPDAとするには少々問題があるかもしれない。AdptecのSCSIカードが使え、またその先にCD-ROMドライブを繋げられるようになったことで一気に母艦いらずのハンドヘルドPCとしての色が濃くなってきた。実際僕の使い方もPIMを中心としたPDA的な使い方とは異なり、どちらかというとLibrettoの機能を削ったような使い方をしている。パソコンに対するコンパニオンではなく、”ハンドヘルドPC”という”PC”、いわゆる機能を削ったパソコンとの認識と使い方が一番適当だろう。 それでもきっと多くの人がパソコンとして使った場合、違和感をおぼえるに違いない。現在主流のパワフルなノートPCと比べると明らかに遅く、恐ろしく使い勝手が悪い。しかしこれはWindowsを使い始めた時も同じように感じたことである。それがどんどんとCPUその他マシン自体が強化され、OSに慣れていくに従っていつのまにか感じなくなってしまっただけのことである。速さに関しては時間が解決してくれる問題だろう。使い勝手に関しては慣れてしまえばそれほど問題ではない。なにより限られた機能を使う、ということにおいては、ある一定の作業を覚えればそれ以上は必要ではなくなる。必要以上のことをやろうとするとすぐ頭打ちになってしまうが、限られた機能を使うということにおいてはHP200LXよりも多機能(PIMがにくいとかそういうのはおいといて)であり、必要最低限の機能は揃っている。多くを求めるのであればWindows9xのノートPCをBUYすればいい。しかしあくまで持って歩いて、メールが受信できて、ブラウザが動いて、テキスト打ちできればいいという最低限の機能で考えた場合にはWindowsCE機は十分に安く、母艦であるWindows9xマシンとの親和性も高く、使えるマシンになっている。 僕はMC-R300をテキスト打ち用+αという非常に限られた使い方をしている。そのくせメモリは32Mまで拡張し、ポスペ入れたり、なんだかんだとイジってみたりして十分に楽しんでいる。たいして持って歩く機会は多くなく、たいていテレビの前に置いてある。そして映画を観ながらその映画のコメントを書くのに使っている。ただそれだけだ。ただそれだけだが、それだけだからこそ使い勝手がいい。いつでも電源オンできるしオフできる、HDDの駆動音もないので映画のじゃまになることなく、文章を考え打つことができる。割り切って使う分には十分に使えるのだ。それにMC-R300をBUYした理由の一つがラージキーボードである。ラージキーボードがついていて5万円以下の持ち歩けるマシンはこれにしかない。文章を打つにはこのラージキーボードとモノクロ画面、そして静寂があればそれでいいのだ。 しかし何度も繰り返すようにポケットボードやコミュニケーションパルといった携帯端末からのステップアップとしてはWindowsCE機は十分にパソコンに近い。初心者であればあるほど”遅い”という概念が出来上がっていないのでそれが普通に見える。となればそれが我慢できるかできないかというただそれだけのことになる。少なくとも僕はそれが我慢できないほど遅いとは思わない。僕自身、案外速い、という印象を受けたくらいなのでもしLibrettoがなければ現在のWindowsCE機を喜んで持って歩いたことだろう。 そのうちCASSIOPEIA A-60の大きさで、Jornada680のキーボードがついて、CF+PCMCIAスロットそれに内蔵モデムがあって、メモリもそれなり(特別多い必要はない)に搭載され、今の3倍のスピードで動くWindowsCE機が登場したとすれば、もしかするとLIBRERは絶滅するかもしれない。少なくともきっと僕はそのマシンを一台BUYしていることだろう。今でも新品20万のLibrettoと5〜10万程度のWindowsCE機とを比較すると速さの問題さえ割り切れたならば、WindowsCE機は十分に魅力的な選択肢であると思う。WindowsCE機がどんどん高速化され、Librettoとの価格差以上に性能差がなくなった時、Librettoが残っているのかどうかとても不安である。そういった意味では上からSONYはじめとする銀パソ軍団(今はLibrettoも銀パソ)に押しつぶされるよりも下からWindowsCEに足を食われるといった可能性のほうが大きいようにも思えてならない。それまでに東芝がLibrettoの下位機種をWindowsCE機に置き換え、現在のLibrettoとの棲み分けを提案していったほうがLibrettoというマシンが今後生き残る可能性が大きいように思うのははたして僕だけだろうか? |