新型Libretto発売おめでとう企画
「最強のLibretto20を創る」の巻

Libretto20の意味
 Libretto20と言えば初代Librettoである。さすがに現在のマシンスペックから言えば随分と非力であることは否めない。しかしながらそれが使えないマシンかどうかと言えば案外そうでもない。
 少なくともメール端末であり、Web閲覧用のブラウザを動かす端末としては必要十分なスペックであると言える。新しいソフトを使うということではなく、従来の環境をそのまま動かし続けるということであれば、まったくと言っていいほど問題はない。
 Libretto20が登場した時、世界に与えた影響は森首相の発言よりも大きなものだった。日本はバブルがはじけて久しかったが、東芝はまだフロッピー問題で賠償金を支払わされることもなく、パソコン需要はうなぎのぼりだった。Libretto20にはじまるLibrettoシリーズはそうしたネットバブルの申し子とも言える。だからこそある意味贅沢なマシンであるのである。
 それを使い続けることは古い車を大事にし続けるのと同じく、決しておかしなことではない。従来のパソコンは半年もたてばゴミ同然だったが、最近のパソコンはスペックこそすごい勢いで進化し続けているが、人間様のほうはそれに追いつけないような状態で、実際ネットに繋がればそのパソコンは長く使えるようになった。Libretto20はその中でも特にモバイルという用途にも使える汎用性に優れた、且つまた自由度の高いノートパソコンの先駆者だった。
 今回はそんなLibretto20を如何に使い続けるかということで考えていきたい。そしてこの企画を実現することに関して、強力にバックアップしていただいたTOKUさんに心から感謝の意を表したいと思う。そしてTOKUさんのバックアップなくしてはこの企画は実現できなかったことをここに書き記したい。

HDD換装からはじめよう
 Libretto20で一番問題になってくるのはHDD容量である。標準では270Mしかなく、これは現在市販されているMicroDriveよりも少ない容量である。これはWindows95がギリギリ動く容量で、メールを削除せずにいるだけでもHDDがあふれかえるほどである。
 さすがにこの容量では何もできないので、何も考えずにHDDを換装することにする。交換できるHDDは8.45mm厚のものだが、21世紀を迎え、8.45mm厚のHDDは消えてしまった。裏蓋を加工することで9.5mm厚のHDDに換装することが可能だが、今回の企画は”最強のLibretto20を創る”ということなので、少し凝ってみたいと思う。
 まず用意するのはLibretto50/60の裏蓋である。元々Libretto50/60に関しては9.5mm厚のHDDも考えられていたようでスペーサーをつけた状態で8.45mmのHDDが入っている。当然9.5mmに対応しているということはこの裏蓋を使えばそのままHDDの換装がやりやすくなるに違いない。

Libretto20の裏蓋

 ところがここに大きな問題が立ちはだかる。Libretto20の裏蓋はネジが6本、これに対してLibretto50以降はネジが7本になっている。1本多いということになると部分的にはまらない。物理的な不可能が出てきてしまう。
 そこで僕はTOKUさんに助けを求めた。Libretto20にLibretto50/60の裏蓋をつけるべく、加工してもらいたいとお願いし、これをつけてもらった。実際にはマザーボードの形状の変更もあり、Libretto50/60の裏蓋をつけようとするとネジが5本しか止まらなくなる。そして具体的には部分的に削ることでLibretto50/60の裏蓋を取り付けることが可能になる。削る部分は実機と裏蓋をあわせてみれば一目瞭然なのでそれをあえてここで書く必要はないだろう。

今回交換したLibretto60の裏蓋
ネジ穴の数、位置などが微妙に違う。

 そしてLibretto50/60の裏蓋を使う意味は何もそれだけではない。Libretto50/60の裏蓋はマグネシウム合金入りで、VAIO505シリーズに先駆けて作られていたという非常にレアな裏蓋である。当然これは強度と冷却効率なども考えてのことなので、プラスチック素材のLibretto20/30の裏蓋よりもHDD換装以外でもメリットがある。
 HDD自体は裏蓋を交換することで9.5mm厚のものが使用できるようになり、選択肢も広がる。現在は30GBという大容量のものもあるのでその気になればそういったものを使うのも一興だろう。オススメとしてはM3やff1100などのHDDを換装した後で余った2GBや6GBをチョイスするのが予算的にも実用的にも一番メリットがあるように思う。今だからこそ安く手に入るHDDでもあるので2GBもあれば十分に遊べる。

OSの選択
 Windows95が標準のLibretto20に他のOSを入れるとどうなるのか。コアなユーザーはLinuxマシンとして活用されている方も多いようだが、僕自身はLinuxを使ったことがないのでLinuxについてはまたの機会に検証したい。
 それではどのOSを?ということになるが、個人的にはWindows98をオススメしたい。従来からM3に関しては逆にWindows95を選択することで、M3自身の動作を軽くするという効果を狙ったが、Libretto20に付属するのはWindows95のOSR1である。OSR2を選択したいところだが、じつはOSR2以降はPentiumに最適化されているのでAMDな石を使っているLibretto20には効果が薄い。どうせならそれよりも新しいOSを選択することによってドライバ類などの面でメリットがあるWindows98を選択するほうがよりカスタマイズしたような錯覚を感じることができていいのではないだろうか。
 M3はクロックが低いながらもMMX-PentiumなのでWindows95OSR2+IE4.01SP2という組み合わせでデスクトップアイコンのあるWindows95が僕のお気に入りの設定だ。またメモリが標準の32Mもしくは+32Mで64Mの場合には、Windows95OSR2+IE4.01SP2という組み合わせはベストな選択のように思う。ただしメモリを目一杯まで積んだM3ではWindows2000も十分に動くので、僕自身はこれもまた選択肢の一つだと思う。実際僕も現在はWindows2000で動かしている。ようはあまのじゃくな発想である。
 Libretto20の場合はWindows98を逆に軽量化し、素の状態のWindows98よりもメモリを食わない状態を作りだし、メモリの少ないLibretto20でも動くようにするほうがより効率的である。この場合98liteを使うことでLibretto20でも動くWindows98を創り出すことが可能になる。これに関してはこちらのページを参照のこと。

 またWindows以外ではDOSで動かすのも一案だろう。DOSの設定が面倒なのは確かだが、486系の石はDOSで動かすには十分な力を持っている。メモリ容量も20MといえばDOS環境では十分に大容量である。極端な話、HDD270M、RAM8Mという素の状態のLibretto20でもDOSは十分に快適に動いてくれる。問題としては今さらATOKやその他、ソフト類を手に入れるのが非常に難しいということである。
 個人的にはLibretto20をDOS化して、ブラウザ、メール、テキストエディタとして使うのは案外オススメの使い方である。ただしさすがにソフトも少なく、なおかつ今となっては設定も難しいのであくまでマニア向けである。

クロックアップ
 Libretto20の場合、75MHzを100MHzにクロックアップすることでLibretto30相当になる。またライトバック化することで若干体感速度も上がる。この二つはLibretto20に欠かせない改造だろう。元々Libretto20がウケた理由もクロックアップ&HDD換装ができるという手軽さだった。
 ただしクロックアップしたところで体感速度が劇的に上がるかといえばそうでもなく、実際には「ちょっと速くなったかな」といった程度。それでもメモリの増設とあわせて行えばWindows98+98lite環境くらいは動くようになる。ノーマル状態ではさすがにちょっともたつくので最近のマシンに慣れている体では、決して快適とは言えない。速いほうがいいのは車もパソコンも同じである。

見た目
 見た目のカスタマイズも最強のLibretto20を作るには欠かせない。具体的にはLEDの青目化というのが一番効果がある。これもTOKUさんのページでカスタマイズをしてもらえるので、腕に自信のない方はそちらにお願いするといいだろう。
 実際これは下手をするとHDD換装よりも満足度が高い。なんといっても世に出ている最新のノートPCでさえ、青目化されたノートPCは見あたらないからである。Libretto20が最新のノートPCよりも美しく着飾った瞬間を思い描いてほしい。きっと誰もがその一瞬に酔うことができるだろう。

ブルーに光るLED

 また今回TOKUさんにお願いした際、M3の冷却穴と同じくお願いしたLibretto20にも冷却穴を開けてもらった。実際これに意味はないだろう。あくまで見た目重視のチューンの一環である。ただし四角四面のLibretto20にこの丸い冷却穴は冷却効果以上に、カスタマイズされたマシンであることをさりげなく演出してくれる。

エアインテークとリブポイント
リブポイントはあえてノーマルらしさを主張するように
Libretto20標準のものを使用。

 こうした細かい部分でのTOKUさんの職人技はLibretto20をただのミニノートPCから工芸品の域にまで高めてくれる。
 自分でもリブポイントをアキュポイントに交換、Libretto50以降のリブポイントに交換するなど、部分的なカスタマイズをすることでよりLibretto20を最強化することも可能である。

諸々
 他にカスタマイズできる部分としては、キーボードをLibretto50以降のモノに交換することができる。これは案外簡単なのでオススメかもしれない。さらにこれを進めて海外向けLibretto50用の英語キーボードを取り付けるなどのカスタマイズも見た目にも効果があり、実際キーも大きいので実用性のアップにも繋がるかもしれない。ただしこれに関しては予算の問題もあり僕のほうでは実現していない。

キーボードを交換するのもいいだろう
今回は最強を目指すと言いつつノーマルのまま。

 M3の改造メニューの一つである大容量バッテリー内蔵ファンは使えないだろうか、とも考えたが、Libretto20のメモリスロットの関係もあって、大容量バッテリー内蔵ファン自体は取り付けることが可能でも、メモリスロットを開けてしまわないことには冷却効果がまったく望めないので意味がない。ということで今回は大容量バッテリーを装着することでモバイルマシンとしての価値を高めるのみの仕様になっている。
 僕自身はLibretto20らしさがなくなるということで、今回はお願いしなかったが、Libretto50以降の上部の移植も可能なのではないかと思う。ただし見た目がLibretto50になってしまうので、Libretto20にこだわりたかった僕はあえてお願いしなかった。

 また今回の機体は、じつはマザーボードはLibretto30になっている。この場合クロックアップするとビデオまわりが追いついてこないらしく斑点が出るという症状が出てくるので、あえてクロックはそのままにライトバック
のみしてもらった。

まとめ
 今さらLibretto20を最強化しようという狂った企画だが、新型が出るとウワサされているからこそ、あえて旧型を安く手に入れ、カスタマイズしようという意味で初代まで立ち返ってその面白さを思い出せないものかと考えた。

 もし次期Librettoが登場したとしてももうLibrettoをカスタマイズする楽しさというのはHDD換装くらいで他には何もないだろう。LEDの交換くらいはできるかもしれないが、実際見た目をイジる他は昔のような楽しさはなくなってしまう。

 Libretto20ではM3のようにノーマル比で倍以上というクロックで動作させたり、USBを内蔵するといったこともできないが、それでも十分にLibrettoというマシンの楽しさを体験することは可能である。そして実際そうやってカスタマイズした最強のLibretto20はクラシックカーに乗るよりも格好良く輝いて見える。

 Libretto20は名機である。そしてその魅力は実機に触れることでより深く感じることができる。Libretto20という名機を思い出してほしい。そして改造して使ってほしい。新型を待ち望んでいる今だからこそ。

 

なお、このコラムは

 ・LibrettoM3爆走隣の晩御飯! 
   萩焼職人TOKUさんのページ。Libretto20/30の改造もおまかせ!

明日のケースを創る先進企業  「京都丑や」

の勝手な提供でお送りいたしました。

 

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