M3ノススメ 双方向の世界へ その弐

但し書き
 前回はデータをライブラリーとして構築しないといけない、ということを述べてきた。そして今回は具体的なその方法を簡単に紹介していきたい。そしてそれにはLibrettoではなく高速でハイスペックなデスクトップもしくはノートPCが必要になる。ここ何年もしないうちにミニノートPCでもできるようになる可能性は大きいが、20世紀が終わりそうな今、現在においてはロースペックなマシンではお話にならないので注意が必要である。

 またHDDもなるべく大容量のものが必要になる。具体的には20GB以上もしくはさらにそれ以上である。加えてDVD-ROMドライブもあるのが望ましい。ない場合はまた次の回を読み進めてもらえると少しは役にたつかもしれない。

 この計画についてはLibrettoの使用方法の提案の一つであり、Librettoを使ってデータを作るというものではないので注意が必要である。Librettoを活用するためには今回のような下準備が必要なのであって、今回もまたLibrettoの出番はほとんどない。

 それでもまだオレ様のマシンはちょー最高で最速だぜ!という方は続きを読み進めてもらいたい。やるならとことんやらねばならぬ。それが男の生きる道。

データ方式
 映像データと言って一般的なのはMPEGと言われるものである。しかもこれはMPEG1、MPEG2、MPEG3、MPEG4とこのままいくと寅さんシリーズのように続いていくのではないかと思うほどすでにいろんな方式がある。中でも普通に使われているものがMPEG1であり、MPEG2である。MPEG1はビデオCDに採用されている方式、MPEG2はDVDに採用されている方式と分けたほうが簡単かもしれない。MPEGというと動画の圧縮方式のように考えられがちだが、最近流行のMP3というのもじつはMPEG規格であり、正確にはMPEG1 Audio Layer3というオーディオフォーマット方式である。よってMPEGは3方式があり、これにAVI方式や、その他のフォーマットがあり、実際どういう違いがあるのかは、圧縮率の違い以外は僕にはよくわからない。とりあえず全部がデジタル技術の進化の一端であり、これからさらにインフラが整備されることにより、MPEG方式でそのまま配信するのか、はたまたもっと効率のいい圧縮方式が出てくるのか、なんにせよ今後のビデオ・オン・デマンドを実現されるための技術に他ならない。

 さてノーガキはこれくらいにして、いかにしてこのデータ方式の中からベストもしくはベターな方式を選択するのか、という核心へと進んでいきたい。

 MPEG2に関してはDVDに採用されている方式ということで、そのままではとてつもなくデカイファイルになることは想像に難くなく、実際そうである。次にMPEG1であればビデオCDフォーマットなので、案外CD一枚に収まるのでわ?と思ったら、これは実験の結果、どうあがいてみてもCD一枚には1時間程度しか入らないということがわかっている。ということは映画などでは一枚に入りきらないので却下したい。ここで登場するのがMPEG4である。MPEG4は動画用のフォーマットらしく、携帯電話やインターネット端末への配信を目的として普及が進められている方式ということで、非常に圧縮率が高く、実際データも小さくなる。これにMP3の音声を組み合わせることで、小さい動画+音声データを作り出すことが可能になってくる。では実際どうすればMPEG4にできるのか?

やり方
 通常MPEG4は従来のWindows98などではサポートされていないようで、何もしない状態ではエンコードはおろか再生もできないので注意が必要である。まず第一にこのMPEG4のエンコーダーを手に入れる。

 DivX ;-) MPEG4 Hi-Res Video Codec3.1alpha

さらにMP3のエンコーダーということで

 RadiumMP3Codec

が必要になる。とりあえずここまで準備できれば後はエンコードするのみだが、ここまででは再生はできてもエンコードできないので、エンコード用のアプリケーションが必要になってくる。

 それがFlaskである。この他にも数種類あるらしい。僕自身は素材としてDVDソフトを使うため、字幕入りデータを作ることのできるFlaskが一番便利だった。ただしエンコードに関しては非常に遅く、だいたい1本作るのに10時間程度かかる(Pentium!!!-500、RAM384Mという環境で)。

 とりあえず先に簡単に使い方を・・・

 まず設定をオプション→出力設定→AVIoutputとする。

 次にinfoファイルを読み込み、字幕の設定や音声の種類を設定する。

 するとオプション→MPEG/AVI別設定というのが選択できるようになるので、これを選択する。SelectCodecを選択し、映像、音声別に詳細を設定する。

 映像のほうをDivX ;-) MPEG-4 Low-Motionに設定し、右横にある”設定”を押してさらにビットレートなどの詳細設定を行う。

 デフォルトではDataRateが910になっているが、なるべく小さくしたいのであれば600以下に設定する。僕自身はLibrettoのことを考えてさらに300まで下げた状態にしてエンコードを行った。

 音声のほうは形式を”MPEG Layer-3”、属性を”64kBit/s,48,000Hz Mono 8KB/秒”に僕は設定しているが、ステレオがいい場合には”96kBit/s,48,000Hz Stereo 12KB/秒”に設定するとデータが小さくなる。

 次にオプション→出力ファイル共通設定と進み、Video設定のフレームレートや、画像の大きさなどを設定する。今回はデータを小さくするのが目的なので、画像の大きさが320x240、フレームレートを23.976に設定し、さらにインターレース解除のプログレッシブ処理のチェック項目にチェックを入れる。これを忘れるとソフトによっては、モワレのような症状が画面に出てくるのでこれを忘れてはいけない。

 Audio設定では”Layer2/Waveへ変換”にチェックを入れる。これは一見データが大きくなるのでわ?と思える選択だが、じつはプラグインの設定で変換されるので、MP3形式になるようだ。実際どうなっているのかはよくわかっていない僕にはさっぱりである。さらにサンプリング設定のところは”ソースと同じにする”にチェックを入れておく。このあたりもうまく設定するとデータ量を減らすことができるかもしれないが、基本的には触らぬ神にたたりなしでイジらないことをオススメする。

 最後に”その他”の項目のところで、検索サイズを”5000”から”2000〜3000”へと変更する。これは場合によっては音が非常に小さくなる問題を回避するためであり、実際どれくらい効果があるのかはよくわからない。僕自身は”2000”に設定している。

 あとは”実行”→”変換開始”で10時間ほどほったらかしにしておけばデータが完成する。この場合先ほどのオプション項目のところの出力先を十分に容量のあるHDDもしくは他の記録メディアを指定しておかないといけない。小さくなっているとはいえ、非常に大きなファイルなので万が一エンコード途中で容量不足になることもないとは言えない。

その後の物語
 さて出来上がったファイルはじつはMPEGファイルではない。AVIファイルであり、いったいなぜなんだぁあああああっと憤りを感じる人も少ないように思う。ところがこのAVIファイル、中身はしっかりMPEG4+MP3なのでこれがなかなかどうして楽しめる内容になっている。クリックするとWindowsMedeiaPlayerが起動し、動画を再生してくれる。パワーのあるマシンであれば、元のデータである720*480でエンコードし、これを再生することが可能であり、実際これだと画像の劣化(正確にはノイズ)も少なく、納得のできる画像を再生することができる。ただし当然この場合、一番大きな問題となるのはそのデータの大きさである。いくら小さくなっているとはいえ、元データの1/3くらいのデータにしかならないので、映画であれば1GB以上は確実に容量を食う。これではデータをサーバーに貯め込んで、これをネタに家庭内ビデオ・オン・デマンドと言ってもおいそれとはできない。なによりロースペックなマシンではまともに再生することさえできない。

 そこで前述のようにいかに小さいデータを効率よく作るのか、ということが今回の計画のカギとなってくる。具体的にはビットレート300、フレームレート23.976、音をモノラルにした状態で120分のデータを300M前後で収めることができる。もちろん画像はお世辞にも”良い”とは言えない状態だが、家庭内ビデオ・オン・デマンドという当初の目的を達成するには十分なものだと言える。しかもM3ノススメというタイトル通り、”Librettoで再生する”ということを目的としているため、大きなデータはハッキリ言って意味がない。再生できるデータはあくまで小さくなければならない。

 一応実験したところでは、ノーマルLibrettoM3のMMXPentium133MHzにメモリを64Mにした状態でも10BASEで繋いでたまにカクっとコマ落ちはあるものの、音声は途切れることなく、きれいに再生できる。さらに複数のマシンで一つのデータにアクセスしても2台まではなんとかこれをこなすことができる。ただし3台になるとさすがに10BASEでは辛いようで、順番にコマ落ちが激しい状態となるので実用的とは言えない。

まとめ
 300Mのデータであれば20GBのHDDに60本以上のデータを入れることが可能ということになる。120分で300Mという計算なので、これを時間になおすと120時間分のデータを残せる計算になる。20GBが1万円以下で売っている現在、1本あたりは160円強という計算になる。これは現在売られているビデオテープの単価とそう変わらない値段である。ただしデータとしてはアナログのビデオテープのほうが高画質、高音質なので一概には言えないが、これに関してはHDDのバイト単価が下がってくれば、より現実的な値段になってくることは確かである。

 実際そこまでして録画したものを残す人は少ないはずなので、HDDの容量が現在よりもある程度大容量になり、なおかつ高速なインフラが整備された世界ではHDDレコーディングというのがさらに当たり前になり、ビデオ・オン・デマンドの環境が普及することは夢物語ではなくなっている。

 そんな世界が実現された時、Librettoはまだ現役だろうか。今回の実験でLibrettoM3ではさすがにその環境を受け入れることができない、ということを強く実感した。しかし今後よりパワフルな新機種の登場により、パソコンという枠組みを越えた情報端末としてLibrettoがより身近になることも十分に考えられる。

 SONYのマシンはHDDレコーディングが可能であり、きっとそうした夢の世界を思い描くことによってより進化を遂げている。SONYの夢を実現するための道具として東芝のパーツであり、マシンが使われるのではなく、東芝自身がその具体案を持ってさらに進化した技術とアイデアで21世紀のモノ作りを進めていってほしい。

▼デスクトップとLibrettoで同じデータを共有し、
映像データを同時に見ることができる。
これははっきりいってとんでもなくすごいことだ。

 

夢のつづき
 今回じつは重要な部分が抜け落ちていることにお気づきの方も多いだろう。そう、DVDからのデータの取り出し方が抜けている。僕はいかにしてDVDのデータを取り出したのか?それに関してはとりあえずヒントだけを書いておくのでそれを参考にしてほしい。これは著作権の問題もあるが、それよりも問題なのはこれ以上長くてややこしいレポートを書くのが面倒だからである。たいして難しくはないので、後は適当に考えてほしい。

 まず必要なのは大容量のHDDであり、5〜10GB程度は最低必要である。これはDVDから直接データを抜き出すことはできないので、一旦HDDにプールした状態からはじめないといけないためである。

 次にツールの問題である。cladDVDというツールを使えばそのまま抜き出せます、という記述をよく見かけるが、じつは現在発表されているVer1.63とアップデータであるVer1.64では正常に抜き出すことができず、ここでつまずくことがほとんである。実際僕はこれがよくわからず3日間悩みに悩んだ。Ver1.62K3以前のものを見つけなければいけない。もしくはバージョンがあがって、問題がなくならないことには現在のところどうにもならないようだ。

 最後に一番悩んだのがPanasonicMPEG1Encorderというもの。これを使えば簡単だ!みたいなことが書いてあり、いったい何事かと思ったらMPEG2をMPEG1にエンコードするためのもの。そしてこれは”購入しないといけない”。簡単かもしれないが”タダじゃないよ”と書いてくれていなかったので探し回って結局それで2日ほど無駄に過ごした。ただしMPEG1はビデオCDの規格で、ちゃんとエンコードはできるものの、じつは一番はじめに書いたようにMPEG1ではCD一枚には入りきらないという大きな問題がある。CDに入れる必要はないものの、データを小さくしたいのであればMPEG4+MP3による圧縮が一番適当だと言える。

 また今回はDVDを素材としてエンコードしたが、素材に関してはMPEG形式であればたいていなんでもエンコードできるようなので、SONYのデスクトップマシンで録画したテレビ放送でも、はたまた自家製思い出ビデオをMPEGに変換したものでも問題はないはずである。

 僕自身はHDD内にいかに小さいデータを置いて、それをLibrettoで再生できるかという点が重要だったのでこれ以上のことに関しては詳しくわからない。またメールでの問い合わせに対してもお答えしかねる場合がほとんどなので、あくまで自己責任のうえ切磋琢磨、試行錯誤していってほしい。
 

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