M3ノススメ 冷却ということ

盆地
 京都の夏は暑い。どれくらい暑いかというと、他の地方の人には想像できないくらいに暑いのである。きっと赤道直下のジャングルよりも蒸し暑いに違いない。スコールもなく、風もなく、ただ照りつける太陽の日差しがアスファルトの道を焼き、その熱気を充満させるばかりである。加えて盆地なのでその熱はどこにも逃げることなく、京都市内にとどまるのである。おかげで京都で夏を過ごすのはフライパンの中の目玉焼きに等しい。

 そんな京都にあってLibrettoはじめとするマシンたちが平気でいられるはずがない。ある程度体温調節可能な人間様でさえへたばるような土地柄で、体温調節できないマシンたちが平気でいられる理由はどこにもない。

 そこで今回はそうしたマシンたちの夏の涼について書いていきたい。

 

涼しげな色
 色はやはり白がいいだろう。しかし今回は白いLibrettoは登場しない。ゆくゆく白いLibrettoにも付けたいと思っているのが

コレである 

* 後ろのff1100Vは本文とは無関係
 

 青いLED、これぞ夏の涼である。見ているだけでも涼しげだ。しかし夜寝る時にはえらくまぶしくて枕元には置いておけないほどである。明るいことはいいことだが、それにも限度というものがある。

  じつはこの青いLED、某東の偉人さんからの譲っていただいたものである。そして僕がこんな細かい作業はできるはずもないので某西の偉人さんにお願いしてつけてもらったものである。

 型番は赤が[ROHM SML-010LTT86]、青がニチアの[NSCB100 BLUE]らしい。

 ちなみにこの青いLEDと赤いLEDを日本橋で探してたのだが発見することができなかった(後日これとは違うものらしい180円の安いチップLEDは発見)。秋葉原のほうでも探してもらったのだが、結局発見にはいたらなかったそうである(こちらも若松の上で発見との報告あり)。となるとこうした改造をするだけでも随分貴重なのかもしれない。もし発見した場合にはぜひ掲示板のほうにでもご一報いただきたい。

扇風機
 夏の風物詩といえば扇風機である。今やクーラーが当たり前の世の中だが、それでもCPUクーラーといえばファンである。ファンといえば日本語ではまさに”扇風機”であり、代替フロンを使ったCPUクーラーなんて代物は見たことがない。もしあったとしても普通一般人はやはり扇風機である。

 ところがffより前のLibrettoにはこの扇風機がついていない。他の土地ならついていなくてもさほど問題ないのかもしれないが、暑い京都ではそうもいかない。ノーマルのM3でさえ、数時間使っていると熱のためにクロックダウンしてしまうほどである。かといって横に大きな扇風機を置いて作業をしていたのでは、僕が風邪をひいてしまう。そこで内蔵ファンが必要になってくる。

 しかしM3の内部に収まるような小さなファンは現在まだ発見されていない。発見されたらすぐに中国地方を治める某人物が名乗りをあげているはずだが、残念ながらまだその一報は届かない。そこで考え出されたのが、Coさんのバッテリー内蔵ファンというものである。この衝撃は某人物に大きな衝撃をあたえた。某人物も同じ着想のものを考えていたらしい。しかし東の雄、人工衛星の父Coさんは一足先にそれを実現していたのだった。

 百式のバッテリーは標準バッテリーでも大容量バッテリーでも同じ大きさをしている。しかしその中身は大きく違っている。電池の容量が大容量バッテリーは倍になっているというただそれだけの違いだが、ようは中身が半分しか入っていないのである。となれば、あとの半分は空いたスペースである。ということはそこに場所があるということになる。場所があるなら使えばいい。

 ということで、M3の大容量バッテリーにしても中のバッテリーを半分にしてしまえば半分スペースがあくという理屈はまったく同じである。しかもそこにファンを収めてしまおうというのはさすがの発想である。僕であったらそこから電池を取り払おうという発想が出てこない。僕は至って貧乏性なのである。

 取り払ったところにファンをつっこめば完成かと言えばそうでもない。オン・オフできなくては意味がないし、ファンがただ大容量バッテリーの中で空気をかき混ぜているだけでも意味がない。M3本体および大容量バッテリーに穴を開けて、空気の流れを作り出さないとまったく意味がない。

 

▼バッテリー前部に無数の穴が開いているのは
まさにフレッシュなエアを最高にたくさん取り込むためのもの。

 こうして出来上がった大容量バッテリー内蔵ファンは夏場のM3に秋の風を送り込んでくれるのである。そしてこの風がクロックアップされたM3のみならず、ノーマルM3にさえ夏場に”安定”という2文字をもたらせてくれるのである。

満足のいく涼しさ
 はたしてどれくらい冷えるのか?はたしてうちにあるのはテルモの電子体温計くらいなので、これで温度を計ってちゃんとしたデータがとれるとは思えない。かといって他に方法がない。しばらく考えたところで答えは出てこない。

 んーっ、正確なデータは誰か他にまかせるとしよう。

 とにかく従来、熱でクロックダウンしていたものが、デカバ内蔵ファンをつけた途端、266MHzでの常用も可能になったのである。これはすごいことである。従来は133MHzでも夏場の長時間使用ではクロックダウンしていたものが、デカバ内蔵ファンのおかげで一気に266MHz常用も可能になった。ということは放熱さえしっかりしていれば、クロックアップによるマシンのクラッシュも防げるということではないだろうか。当然と言えば当然の理屈だが、今まで僕はそうした放熱対策に対してあまりに無頓着すぎた。これからは横に扇風機を持ってでも冷却に対する考え方を改めたいと思う。

▼これぞ究極の冷却法だ!
問題は横から風を送っている間は
パソコンキーを打つ速度が半分になること。

 

美の追究
 デカバ内蔵ファンは確かに効果的だが、大容量バッテリーに関してはLibrettoの完成されたコンパクトデザインを害するものであるという意見も多い。かといって冷却をおざなりにするわけにはいかない。

 ・・・そしてまた英雄が生まれた。LIBRER界における工学デザインの権威、愛の戦士うっしーさんである。うっしーさんは大容量バッテリーに反旗をひるがえし、デザイン優先のバッテリー内蔵ファンの開発を進めたのだった。はじめは誰からも振り向かれなかった研究はいつしか実を結び、遂に標準バッテリーにファンを内蔵するという偉業を達成したのである!!

▼デカバ内蔵ファンに比べて地味な印象は否めないが
さりげない改造もまたある種の機能美を見せてくれる。

 これならLibrettoの美しいラインはそのままに機能的な拡張がはかれるというまさに一石二鳥のファンである。うっしーさんの繊細な技の切れがうかがえる一種の芸術作品と言っても過言ではない。しかも標準バッテリーは大容量バッテリー以上にお亡くなりになっているものが多い。ということはバッテリー内蔵ファンのネタにするには、まさに最適な材料とも言えるのである。さらに言えば、折しも某じゃんぱらでは標準バッテリーがまさにたたき売りされている。これを逃す手はない。後はまさに実行あるのみである!

 もう一人忘れてはいけない人がいる。PCカードファンのつ〜さんことT.Kanaiさんである。T.Kanaiさんはなんと世の中のほとんどすべてのLIBRERの夢であったPCカードファンを作り上げてしまったのである。しかもJustCoolerのような出っ張りのあるPCカードファンではなく、なんとPCカードフルサイズでPCカードファンを作り上げたのだからすごいとしか言いようがない。

 

▼まさにこれぞ工芸品。
見た目はType-2だが実際にはそれ以上あるので
Libretto本体の加工なしでは使えない。

 ただし問題がないこともない。このPCカードファン、一見普通のType-2のPCカードサイズに見えるがじつはType-2.2くらいの厚みがあり、そのままではM3のPCカードスロットには入らない。M3の内部的な加工が必要となるのは仕方がないだろう。

 ここまでみてきてやはり一番有効なのはファンによる直接空冷方式であることがわかる。男は黙って空冷、とはまったく名言である。デカバ内蔵ファン、標準バッテリー内蔵ファン、PCカードファン、加えてCPU用ヒートシンク、ビデオ用ヒートシンクなど、夏の対策は厳重なのにこしたことはない。

 そしてそうして手を加えることができるからこそ、Librettoは美しく、魅力的なのである。魅力的なマシンとは単に色がきれいだとか、ハイスペックだとか、そういった外面的なものだけではない。手を加えることができるという余裕が、そのマシンの魅力を個々に引き出すことを可能にしているとも言える。Librettoは他にない魅力を十分に持ったマシンである。そしてこれを読んでいる読者の方は当然その魅力的なマシンに極々近い場所にいるのである。手を伸ばせば届くのに手を伸ばさないのはまったくもったいない話だ。今すぐハンダゴテを持って立ち上がれ!とは某萩焼職人の名言である。

まとめ
 美しいマシンたちを見ているとまるで水辺の女性を見ているかのようだ。それは各ユーザーがそれだけ魅力的なマシンを造り出しているからに他ならない。マシンは無機質なものかもしれないが、ユーザーはそのマシンを魅力的なものに変える力を持っているのである。

 冷却を考える、色を考える。たったそれだけのことから生まれた今回の夏の改造集だが、実際このインパクトは今までの改造に勝るとも劣らないものばかりである。クロックアップという内面的な改造から、外観を大胆にリファインするという非常にインパクトの強い改造、そしてそれも単に目立つという類のものではなく、あくまでさりげなく、しかし機能的にというLIBRERらしい改造の数々が今まで以上に魅力的なLibrettoを造り出す結果となっている。

 Librettoff1100Vの大放出によってLibrettoはその歴史を閉じるのではないか、と言われている。しかしこれだけ魅力的なマシンを創り出せる東芝だからこそ、さらに魅力的なLibrettoを世に輩出していって欲しいと思うのははたして僕のわがままだろうか。確かに商売をやりやすい機体ではないかもしれない。しかしそれは戦略次第でなんとでもなるのではないだろうか。

 カラー液晶とはいえ、詐欺に近いと言われているSONYPalmはSONYの非常に巧妙な戦略によってサーバーがダウンするほどの注文(ただしSONYのサーバーはNavin'you発売でもコケるほどなのでじつはわざとやっているのでは?)があった。Librettoもまたうまい戦略さえあれば、ある程度のヒットになるのではないだろうか。

 ミニノートPCに未来はないと言われているが、メール端末である携帯電話機が飛ぶように売れ、インテリアとしてのインターネット端末としてiMacがこれだけ躍進している昨今である。ミニノートPCもそうした小スペースインターネット端末としての需要はまだまだ十分にあり、なおかつデスクトップと同じ環境を持ち歩けるというメリットは他にない。そうした隙間的な商売かもしれないが、十分に勝算はある。

 銀パソでなくてもいい、カメラなんかいらない、スマメもいらない、PCカードスロットが場所をとるならCFスロットになってもいい、ある程度メモリが載って、HDDが換装できて、液晶がもうちょっと高解像度になって、CPUが交換できるようにでもなれば、きっとLibrettoは続いていくに違いない。

 少なくともこれからも使いやすくするためのクールな改造はまだまだ続くようである。そうしたことからも最近ffの大放出によって値下がりしている中古のM3は今がまさに買い時なのではないだろうか。夏は終わってもLibrettoはまだまだ熱い。
 

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