「M3にシェルカバーを」の巻

シェルカバーの意味

 シェルカバーとはその名の通り、貝を意味する。昭和シェル石油のシェルと同じなので難しく考える必要はない。ようは二枚貝の貝殻のように、本体を包み込むカバーという意味でシェルカバーとなっている。

 そもそもはPsion5mx用にデザインしたものだが、スタイラス留めのPsion用に対し、スタイラスを必要としないLibrettoに関してはボタン留めを採用している。

 今になってなぜM3にシェルカバーを、という話になったのかと言えば、みみらぼの杉村さんからお話をいただき、例え一本でもぜひというところから、有志を募って制作の運びとなった。



デザインの妙

 シェルカバーのデザインに関しては前述の通り、二枚貝をイメージして作っている。そういう意味では型押しキャメルあたりの革で作るのが、本来一番貝らしく見えるのかもしれないが、LibrettoM3に関してはその本体の色がグレーであること、またビジネス用途に使える文房具らいくなものを目指して、黒で仕上げている。

 その美しさはカバーをボタン留めした状態で眺めているのが一番際だつように作っている。ケースの美しさというのは机に置いた時のインパクトであり、取り出す際の何気ないフィット感であるため、四角四面のLibrettoM3に対しては、革のラインを出せる曲線を何度も作り直してこの現在のカタチとなっている。

 一見なんでもないデザインの中に機能美を作り出すという作業が案外難しかった。

 

シンプルという美学

 シンプルさを追求するために、LibrettoM3用と言いながらも標準バッテリー仕様で仕上げている。大容量バッテリーではどうしてもLibrettoが持つ本来の機能美を表現しきれないように思ったので、あえて標準バッテリーをセレクトした。

 また穴開けを嫌って赤外線ポート、PCカードのイジェクトボタンは使用できなくなっている。当然USBポートを背面に増設しても使用できない。

 なるべくシンプルに、本来の美しさを表現するということがこのシェルカバーの特徴の一つになっている。

 

機能との融合

 では機能を削ってしまって使いやすいのか?という一番大きな問題がそのまえに立ちはだかる。しかし部分的な機能をスポイルすることがイコールすべてが使えないということではない。

 一見なんの変哲もないデザインだが、従来とは逆(下ではなく上に)にマチをつけることでリブポイントが使えるように機能的にもデザイン的にも工夫をしている。

 また標準バッテリー仕様であるために、上部分がちょうど液晶にぴったりのサイズとなり、開けた時のデザインがより一体感のあるものになっている。

 通常この仕様でPowerBatteryなどを併用すれば、十分にモバイル用途には使えるだろう。もちろんすべてを機能を使えることが理想だが、それが本当に正しいかどうかは個人の好みによるところが大きい。

 

まとめ

 LibrettoM3というマシンは稀代の名機である。マシン自体は古くても、未だに現役で使えるパフォーマンスを有している。それに対してより使いこなすためのアイテムを、そしてカッコイイアイテムを望むというのは自然の流れと言っていい。

 従来ののりまきカバーは大容量バッテリーにも対応し、ただ巻くだけという非常にシンプルながらも機能的なものを目指して作った。しかしシェルカバーはさらにそれを進化させ、よりカスタムな面を押し出したアイテムとして、今回作り上げた。

 おせっかいなポケットをたくさんつけるのもいいかもしれない。もっと機能的に、もっとゴテゴテと何かをつけるのかもいいかもしれない。だがやはりそこにあるのはシンプルなデザインのシェルカバーでなければいけない。

 そしてなによりもLibrettoM3に対して、そこにあるだけでも存在感を感じるような、さらに愛おしく思える、そんなシェルカバーを作りたかった。もちろんこれは杉村さんはじめ、多くのユーザーの一致した意見であり、それらを検討してカタチにした結果、よりユーザビリティの高いシェルカバーとして仕上がったと思う。

 シェルカバーはより長く使うために、よりマシンを使いこなすためにこそ存在するのだ。

 

なお、このコラムは

明日のケースを創る先進企業  「京都丑や」

の勝手な提供でお送りいたしました。

 

Back?