移動体通信入門 その2
竹馬の友
友達がNTTDoCoMoの611Sを手に入れた。何を思ったのか、その友達はたいていコンピュータや電化製品その他を”一番”に手に入れる。きっと”一番”に手に入れることに生き甲斐を感じているに違いない。古くはThinkPad230Csの時も一番に手に入れていたし、NECのモバイルギア2MR-700も発売日にLANカードまでセットで手に入れ、VAIO-C1が郊外の安売り電気屋で売られているのをみつけては安くもないのにそれを購入し、最近ではカシオのE-55まで発売日に手に入れるという衝動買いぶりである。611Sもいつの間にか持っていて、カシオペアE-55に差し込んで使っていた。その前日まではPalm3を使っていたのだが、はたして彼にはポリシーもOSの壁も関係がない。ただ”ほしい”という欲望に駆られ、またおかしな具合に高給取りでもあるので、次々に買い足し次々と部屋の肥やしとなっていくのである。世の中、間違っているような気もするが、こうした人がいないことには不景気も脱することができそうにないので、心密かに手をあわせて拝んでみたりもした。 さて、今回は延々この友達の紹介をするつもりではない。ではなぜこの友達の話が出てくるのかといえば、じつは今回の計画で使用するNTTパーソナルの端末は元々彼の持ち物でそれをうまく言いくるめてもらってきたのである。当然その端末の出先がどこであるかくらいは明らかにしておかないことには彼にも端末にも申し訳ないような気がしてここまで書いてきたとそういうわけである。
ほんとに登録できるのか?
DDIポケットのHPには「NTTパーソナルの端末も登録していただければご利用いただけます」みたいなことが書かれている。しかしはたして普通はPメールもできない”ただの電話”をわざわざ登録する人はいるだろうか。なによりタダもしくはタダに近い値段で最新型を配っているような状態だ。わざわざ古い機能が制限される端末を持ち込むなんていうのはよっぽどその端末に思い入れがあるか弱みを握られているかのどちらかに違いない。結局のところそんな人は少なくともぼくのまわりにはいないし、きっと日本国中で二桁いるかいないかに違いない。
当然そうなってくると今の状況では僕が人柱とならざるをえない。今回の実験の主旨はできるかできないかという技術的な疑問を解決したいというもので、僕自身が人柱になる理由は別段どこにもない。しかし・・・である。僕はどうしても自分の欲望に歯止めがきかず・・・・いつも失敗するのである。今回に関してはいったいどうなるのか、不安でいつもより余計に2時間ほど寝過ごしてしまった。
しかしなによりも行動だと考えた僕はその日の午後にはDDIのサービスセンターに電話をかけて話をきいてみることにした。
DDI「DDIサービスセンター担当中村でございます。」
僕「あ、もしもし、ちょっとお聞きしたいころがあるんですが?」
DDI「はい、どういったご質問でしょうか?」
僕「今、NTTパーソナルの端末を持っているんですが、
この端末を使ってDDIさんの契約は可能でしょうか?」
DDI「一部機種をのぞきまして可能です。
お客様のお持ちの機種名をお教えください。」
僕「PCカード接続タイプのパルディオ321Sです。」
DDI「・・・少々お待ちください。」
5分後
DDI「お待たせいたしました」
走ってきたように息づかいがあらい。
DDI「申し訳ございません、パルディオ321Sに関しては
登録できない形となります。」
僕「え?できないんですか?
結構、最近の機体なので中身はほかの端末とかわらないと思うんですが?
αDATA32が使えないというのはわかるんですが、
なぜ登録できないんですか?
HPのほうの使用できない機種一覧にも
パルディオ321Sは入っていませんでしたが?」
DDI「申し訳ございません。
321Sに関してはこちらのほうで登録することはできません。」
僕「それでは611Sも登録できないんでしょうか?
NTTパーソナルの端末とNTTパーソナルのモデムカードという
組み合わせでもダメなんでしょうか?
僕はデータ通信に使いたいと思っているんですが?」
DDI「申し訳ございません、データ通信に関しては
こちらではおこたえしかねますので、データ通信のサービスセンターのほうに
お電話をお願いできますか?」
といって中村さんは、データ通信のサービスセンターの電話番号を教えてくれた。しかし、以上のやりとりですでに精根尽き果てていた僕は、その日の午後はいつもの倍昼寝をして次の日に電話をかけることにした。
次の日
昨日ははたしてつらい日だった、せっかくの321Sが使えないという話にいつもの3倍ほど昼寝をするはめになり結局一日仕事にもならなかった。しかし、あの口調はあくまで営業口調、いわゆる”うけうり”であろうことを僕は密かに予見していた。だからこそ次の日、データ通信のサービスセンターに電話しようなんて気になったのである。
起きてすぐだった僕は目をこすりながらDDIのサービスセンターに電話をかけた。
DDI「DDIデータ通信サービスセンターの担当中村です。」
おかしなことにまた担当は中村さんだった。
僕「ちょっとおうかがいしますが、NTTの端末を持っているんですが
これを使ってDDIと契約し、データ通信することは可能ですか?」
DDI「はい、一部古い機種を除きまして、DDIで新規に
契約していただくことが可能です。また機種変更もできます。」
僕「僕が持っているのはパルディオ321SというPCカードベースの
端末ですがこれでも番号をいれることは可能なんですか?」
DDI「はい、321Sでも問題なくご利用いただけます。
αDATA32に関してはご利用いただけませんが
PIAFSであればNTTさんの端末でもご利用いただけます。」
僕「それでは611Sでも341Sでも可能なんでしょうか?」
DDI「はい、ご利用いただけます。」
僕「昨日、DDIのサービスセンターにお電話した時には
321Sは登録できない機種だと言われたんですが??」
DDI「登録できますが・・・?」
僕「ということはサービスセンターさんではできないけれども
データ通信のサービスセンターではできると?
普通の店で番号入れが不可能ということなんでしょうか?
端末をそちらにお送りして番号をいれていただかないといけないんでしょうか?」
DDI「いえ、αショップのほうで番号をいれることは可能です。
おかしいですね。番号をいれられるはずなんですが・・・?
少々お待ちください。上の者にきいてまいりますので。」
そういって中村さんはその道のプロに尋ねにいってくれた。
DDI「・・・お待たせいたしました。
やはり321Sでも登録は可能です。」
僕「念のためにもう一度おうかがいいたしますが
321Sで登録した場合、αDATA32によるデータ通信は
できないと思いますが、PIAFSに関してはできるんですよね?」
DDI「はい、できます。
αDATA32はDDI独自の転送方式ですのでそれに対応した
端末が必要になりますがPIAFSに関しては共通の規格ですので
問題なくご利用いただけます。」
僕「ややこしい質問ばかりで申し訳ありませんでした。
ありがとうございました。」
ということで321SでDDIの契約が可能だということが判明した。あっちこっちに電話をまわされたような気がするがはたしてできるのならそんな手間も仕方がない。ただこの時、すっかり”どこに行けば登録できるのか?”というこを聞くのを忘れていて、再度DDIのサービスセンターに電話することになったのはここだけの話である。とりあえず今回はここまでということにしておく。次回こそ、ちゃんと登録して使えるところまでがんばってみたい。 |