移動体通信入門 PDAの行方
愛ゲッターになろう!
Palmを捨てて愛ゲッターになろう!とは言わない。少なくともPalmはPalmで優れたマシンであることは誰の目にも明らかである。ただ日本語環境においてはやはりPalmよりもigetiのほうがよくできていると僕は信じて疑わない。
もともとPalmPilotに手を染めたのはザウルスシリーズが嫌だったからである。おっさんくさいモノクロ液晶、おっさんくさい姿形、どれをとっても僕にはこれがほしい!と思えなかったのである。実際使いやすいとも思えなかった。使っている人間からもなんだか遅いと文句が出ていたほどなので僕自身はPalmPilotに手を染めたのである。
ところがこのPalmシリーズ、いつまでたっても同じである。何も変わらないのである。もちろんOSのバージョンはあがり、安定度はアップしていった。しかし基本的なものは何も変わらず、電子手帳でしかなかったのである。
それに対してシャープはigetiという低価格路線のザウルスを投入。ところがこのigeti、当初はDDIPocket用のケーブルがいつまでたっても発売されないなど足並みの悪さを露呈し、さらにはバックライトがついていないという少々大きな難点もあり僕の心をつかむにはいたらなかった。非常によくできたPDAであることは明らかだったが、値段もそれなりに高かったので僕はLibrettoで十分だと思い続けることにした。
しかしここにきてH"だけでは役不足な気がしてきた。一番大きな要因はメールを保存する容量の少なさである。計算では1万文字程度しか電話機内にプールできない。これで普通のメールのみの受信であれば十分な容量であるが、EmCmServiceなどを使って掲示板の内容を定期的に送ってくるように設定してあるとこの程度の容量ではすぐに満杯になってしまうのである。これをなんとか回避したい。さらには掲示板への書き込みをどうするかという問題があり、これの答えがigetiだったのである。
携帯電話機との連携
PDAをPDAとして使った場合、非常に使い勝手の悪いものが多い。逆に携帯電話機+入力デバイスという作りでウケたのがNTTDoCoMoのポケットボードである。これのすごいところは携帯電話機だけでできることをわざわざキーボードと液晶画面という部分だけを大きくし、それだけをアピールすることによっていかにもそれが必要なようにみせかけたことである。実際発売当時は本体だけでメールを受信できる端末があまり多くなく、これを補完する意味でもポケットボードは非常に有効なアイテムであった。
しかし現在はもう携帯電話機だけでメールの送受信も可能であり、携帯電話機自身が非常に多機能なものになってきているので、ポケットボードが売れる理由は徐々になくなり、安売りの店にいけば1980円で山積みという状態である。
ではいったい何が足りないのか?それはブラウズ及び書き込み機能である。新型のiModeであっても通常のページのブラウズ、及び掲示板への書き込み等ができない。これは非常に大きな問題である。なによりもしできたとしてのあの画面の大きさではなかなか快適というわけにはいかない。そこでこれを補完するためのアイテム、igetiをはじめとするPDAが登場ということになる。

▼見にくいかもしれないが、igetiの画面に映っているのは
LIBRER友の会掲示板である。
ちなみにケースは丑やのサンプルである。
携帯電話機自身はとんでもない早さで進化を続けている。さらにPDAもより携帯電話機よりの進化を遂げていっている(Palm7をはじめとして)。従来のPDAは単なる電子手帳であったが現在PDAはメール機能を持ち、さらにブラウザ機能も持ち始めている。もちろんこれは携帯電話機等に繋ぐことを前提として作られており、PDAが電子手帳の枠からどんどんと携帯情報端末へと変化していることを伺うことができる。
携帯電話機、PDA共にお互いの足りない部分を補いつつ、進化しているのである。そしてigetiは携帯電話機との連携によってその真価を発揮する。携帯電話機と繋ぐことにより、携帯電話機をゲートウェイとしてigetiは携帯電話機にない大型の液晶とPDAとしての機能をフルに活用できるのである。
これからのPDAは携帯電話機へと集約されていくか、こうしてPDAの機能を保ちつつ、携帯電話機との連携機能をより強化するようになっていくだろう。
ほんとにPDAは必要か?
iModeをはじめとする新しいタイプの携帯電話機は、それ自身がPDAとしての機能を兼ね備え、今やPDAの存在価値は風前の灯火のような気がしないでもない。もっともまだまだ携帯電話機だけではいたらないことが多いので結果としてPDAやノートPCが必要となっているが、携帯電話機の液晶画面がもっと大画面になり、さらに入力デバイスが改善されればノートPCはおろか、PDAの存在自身危うくなってくるのは誰の目にも明らかである。
iModeユーザーが500万人を突破し、iMode用のコンテンツをよくみかけるようになったがはたして本当にiMode用のコンテンツは必要なのだろうか?これ関して僕は非常に懐疑的である。なぜならiModeに限らず、携帯電話機がPDAの機能を集約し、それ自体がPDAと変わらぬブラウジング機能を持ったとすればわざわざiModeのコンテンツにアクセスする必要があるだろうか?現在のiMode用のコンテンツというのはあくまでハードウェアでクリアできていない問題をソフトウェアでクリアしようとしているに過ぎないように思う。だとすればハードウェア的にこれが可能になればiMode用のコンテンツは万里の長城に等しい無用の長物となる。
もちろんまだまだ先の話かもしれない。しかし今の勢いで携帯電話機が売れ続けたとすれば、携帯電話機の進化の速度はパソコンやPDAの比ではない。なによりユーザーの数の多さがその不満点を浮き上がらせ、メーカーがそのハードルをクリアするたびに携帯電話機は使いやすくなっていくのである。この携帯電話機の進化を止められるPDAがはたして登場するだろうか?もちろん現状ではまだPDAとの連携が携帯電話機の真価を発揮させる大きな要因となりえるが、携帯電話機の進化速度がこれだけ早いと、たいして売れないPDAに開発費をかけるよりも素直に携帯電話機を進化させようと考えるのが普通だろう。
となれば携帯電話機は当然まだまだ進化する。そしてその競争が激しくなるに従い、PDAは携帯電話機の中に集約されていくに違いない。PDAがいらない日がもしかするとくるかもしれない?
まとめ
現状で一番使いやすい端末、それはiModeかもしれない。ただしiModeはノートPCとの連携において非常に大きな問題を抱えている。それが通信速度の問題である。これは実際iMode単体でWebにアクセスした際にも大きなネックとなるはずである。かといってパケットではとんでもない金額を請求されかねないので使うに使えない。
いくらおいしい料理があっても、食べられないのでは意味がない。
僕はそう思う。その点、H"端末はiModeよりも機能的に少ないとはいえ、ブラウザ機能、メール機能と必要最低限の機能をそなえ、なおかつ通信速度も速く、データ通信の料金も携帯電話の半額である。PHSはすぐ切れるし繋がらない、というのも過去の話になりつつある。はたしてすべての人がiModeを使う理由があるのか?携帯電話機が多機能である必要があるのか?そこまで考えた時、じつは携帯電話機は”通話”ができれば普通一般の人にとっては問題がなく、なおかつメールができれば文句なしに買いの端末なのである。ところが携帯電話よりもPHSは売れないのである。
先日従妹から「友達とPメールをするのにH"が欲しい」と相談を受けた。高校生の従妹だが、”繋がりやすい”からとか”オンラインバンキングができるから”という理由ではなく、”PメールとPメールDX(E-mail)ができるから”というのが購入動機なのである。じつはこれはすごいことである。
PHSは子供のおもちゃ、と多くの人が思っている中で、当事者である若年層はそれを十分に活用しているのである。”携帯電話”でなくても活用できるということを若年層は知っているのである。そしてまた若年層がある程度の年齢になった時、携帯電話に乗り換える必要性を感じるのか?という問題が浮上してくる。今のH"は十分に繋がる。Pメールもできるし、E-mailの送受信も可能である。普通一般、キーボードがないと使いにくい、テンキーではとてもじゃないが入力できない、などと言われるが、若年層はあのテンキーを使いすごい速さで文章を入力していくのである。
Pメールというコミュニケーションの手段が必要不可欠だとすれば、ある程度の年齢になってもPメールの使える端末を使い続けることになるだろう。当然それが一番簡単かつリーズナブルな選択であるとすれば、それ以外を選択する理由はあまりないように思う。満足しているものをわざわざ高い値段を出して買い換えるのか?その答えはまだ出ていないが、きっと逆に若年層にウケているPHSが進化すれば、それで十分だと感じる大人がゆくゆく出てくることもまず間違いがないだろう。
PDAと連携させないといけない、キーボードがないといけない、大画面でないといけない、などというのはまったくすでに旧人類の発想なのかもしれない。もちろん打ちやすいにこしたことはないが、かつてキーボードを使えない人が多かったように、我々がテンキーにまだ慣れていないだけなのかもしれない。
となれば、そうしたテンキーやカーソルキーが当たり前に使える新しい世代にとっては、今の携帯電話機がそのまま進化すればキーボードなんて必要ないと思うかもしれない。当然現在では使いにくいと思っているPDA群を楽々使いこなし、もっと簡単でなければ使えない、なんて戯言を言っている古い人類を笑いモノにするかもしれない。
すでに僕たちは旧人類なのである。それを理解したうえで携帯電話機でありPDAを考えていかないとかつてパソコンを触れないオヤジが駆逐されたようにテンキーで入力できない人類は窓際からその外へとさらに追いやられるかもしれないのである。
機械の進化は素晴らしい。しかしそれと同時に人間も多くのことを学び、慣れて新しいものに対応し進化していくのである。僕がその時にまだこうしてページを書いていられることを心密かに望んでいるが、それもまた新しい世代がこのページを選択してくれるかどうかにかかっているのである。必要ならアメをまこう。ただしそのアメがどんなものなのか僕自身よくわかっていないのだが。もし誰かそれがなんであるかを知っているようならぜひ教えてほしい。 |