移動体通信入門 NTTDoCoMoのPHS

NTTDoCoMoと言えば611S
 NTTDoCoMoのPHSといえば611Sしか思いつかない。しかしはっきりいってこの611S、電話機としては最低である。こんなに使いにくいとは思わなかった。さらにNTTDoCoMoのアンテナの数が少ないため、僕の使いたいところではほとんど繋がらないというまったく本末転倒な結果となっている。関東のほうではNTTDoCoMoもアンテナが多いようなのでそこそこ使えるというウワサだが・・・先日オフで帝都に行った際、H"がぜんぜん問題なく使えているのに611Sはぜんぜんダメということがよくあったので、関東ではNTTDoCoMoでもオッケーというのも実際眉唾である。

 使い勝手についてはうちの父親用に使っている321S(CFではなくPCカードベースのドラエホン型の端末)よりも使いにくい。というのも611SではENTERキーとカーソルくるくるキー(ダイヤルキーというほうが正確かも?)が分かれてしまったからだろう。321Sではカーソルくるくるキーをグっと押し込むとそれがそのままENTERになったのだが、611SではENTERキーが別に分かれてしまった。しかもこれがENTERキーが持った時に上になれば押しやすいように思うだが、ダイヤルキーの下にあるので非常に押しにくく操作感が悪くなっている。

 611SというとNTTDoCoMoのPHSで一番の売れ筋のはずである。というより他に買うような端末が存在しない。しかしすでにこれも341Sから数えて一年半以上がたち、さすがに古い機種という感が否めない。

 ところがNTTDoCoMoはすっかりPHSをやる気がない。おかげで次の機種が発売されることはなく、ずっと611Sが売り続けられているという状態である。

←ずっとこのままのNTTDoCoMoの611S

 いったいいつになったらモデルチェンジするのか?DDIPocket陣営の京セラがDataScopeの後継機を出さなくなって久しいがこのままいくとNTTDoCoMo一番売れ線の機体なのに、ずっとこのままという可能性もある。あまりに不憫だ。せめてNTTDoCoMoユーザーのために3分間の黙祷を捧げよう。

データ通信と料金
 僕が加入しているK-COMはPIASには対応しているがPIAFS2.1、いわゆるDDIPocketの64k通信には対応していない。DDIPocketのαDATA32を介してISDN32kで繋げることはできるが64kで繋がることはない。なによりそれ以前に僕は64k対応のPCカードを持っていないのでどうがんばっても32k以上で繋がることはないのだが。

 PIAS接続時はエントリー料として余分に1回10円が加算されるが、それ以降はアクセスポイントまでの電話料金だけ(プロバイダ接続料は別)である。DDIPocketがデータ通信時のエントリー料を廃止したことを考えると若干高いような気がしないでもない。しかし通常のPIAFS2.0対応のアクセスポイントへのエントリー料はいらないので結局PIAS接続時に10円余分にかかるということだけのことで、実際にはデータ通信料金はNTTDoCoMoもDDIPocketも同じということである。ただ僕が住んでいる京都にはPIAFS2.0対応のアクセスポイントがないので結局PIAS接続でしかアクセスできない。10円は長距離電話料金みたいなものだと割り切るしかないのである。

 NTTDoCoMoは基本料金が1980円というデータ通信プランがあり、これに1000円の通話料が入っているので実質980円の基本料金となる。ただしデータ通信プランなので通話に関しては3倍かかるという地獄の通信プランである。さすがに3倍ともなると携帯電話よりも安くないので待ち受け専門である。

▼LibrettoM3に611Sをセットしたところ。
やはりこれがM3のあるべき姿なのかもしれない。

 しかしNTTDoCoMoの料金プランは非常に難解である。携帯電話でもそうだが、プランにあわせて細かく選べるというのはいいのだが、あまりに細かすぎてまず料金プランをセレクトする時点で非常に悩む。さらにはたしてそれでよかったのかどうかとまた悩む。しかし時すでに遅く、料金プランを選択した後では変更は1ヶ月後にしかきかないのである。1980円のプランだけでも2つも3つもあるなんていうのは、まったく初心者には理解できない。実際、初心者だけでなく販売店の人もよくわかっていない様子だったのでやっぱりもう少しわかりやすい料金体系にしてほしい。

スピード
 64kのデータ通信はやはりとっても速い。これだけ速いと携帯電話の9600bpsなんてとてもじゃないが使えない。携帯電話の9600bpsの時には専用のテキストブラウザを使えるようにするなど携帯電話使用時のインターネット通信環境はもう少し考えられないものだろうか。パケット通信にすればいいという話もあるが、料金面でとてもじゃないが使えない。

 携帯電話に比べてPHSの通信速度はやはりべらぼうに速い。とんでもなく速い。じつに快適である。僕が携帯電話を使えないのは料金面もあるがデータ通信のスピードによるところも多い(というかほとんどその一点)。高い金出して遅い通信速度、そんなのは僕には耐えられない。

 まあ、これについてはそう遠くない未来、携帯電話市場にはW-CDMAという救世主が現れるという話だが、現状のパケット通信を続けるようなら結局料金面ですぐにユーザーがパンクするのは目に見えているので現実的だとは思えない。それよりもDDIPocketの今夏からはじまると言われている128kサービスに注目したいところだ。ところがこれについてもパケットにするとかしないとか・・・128k対応の端末持っているのに64kでしか繋がないというのも一つのステータスとなりえるのか?そうだとすれば64k固定で無理に繋げるというのもかなり面白い気がするが、実際それも無駄な気がしてならない。DDIPocketさん、お願いだからパケットはやめてほしいなぁ、などと心密かに僕は願っていたりする。

 現状ではNTTDoCoMoの64kはPIAFS2.0のみ、DDIPocketの64kはPIAFS2.1とPTE接続で通常のISDN回線接続するという方法だが、どちらも一長一短あって甲乙つけがたい。僕自身がメインで使用しているK-COMがPIAS接続可能という点でじつはNTTDoCoMoとの親和性が非常に高いのだが、KDDがDDIと合併するのかDIONを買収したのか提携したのか、そんな話が出てきているので今後はK-COM、Neweb、DIONと3つの通信環境がそのまま整備されることになるだろう。そうなればDDI経由でのK-COMへの接続に関しては問題がなくなるのではないだろうか。もっともこれはまったく個人的な立場と見解なので読者の方にはまったく関係ないかもしれないが。

まとめ
 最近、家では通常64k、夜中は128kというアナログモデムに比べるとえらく高速な通信環境でインターネットに接続しているため、携帯電話の9600bpsでの接続はもう体のほうがまったく受け付けないような状態になってしまっている。PIAFS接続の32kでもはじめ速いと感じたものが、611Sを手に入れて64kで接続できるようになってしまっては、これも決して満足できる速度ではなくなってきてしまっている。まったく慣れとは怖いものである。
 611Sは決して電話として使いやすい端末ではないが、モデムとしては非常に優秀な通信機器であると言える。NTTDoCoMoというキャリアにしか存在しないのが残念でならない。DDIPocket、ASTELとすべてのキャリアに同様の通信端末があればさらに面白くなっていただろう。

 しかしここにきてNTTDoCoMoはiModeが売れているため、さらには金にならないPHSに見切りをつけているためか、折角64kという整備された環境を持ったPHS網をそのままに端末の数を減らし、なおかつ新機種の投入がないまま1年以上が過ぎようとしている。まったくもったいないとしか言いようがない。それでも今度P-link Stationが投入される。もっともこれもひどい話で移動体通信端末であるはずのPHSを固定の電話として使うための機械がP-link Stationであり、決してこれはPHSとして前向きな端末でないという点が非常に気にかかる。

 NTTDoCoMoは実際とても大きな会社であり、資金もある。ここが率先してPHSの技術開発を進めればきっと携帯電話よりもいいものを多く出せる気がするのだが、どちらかというとドッチーモのほうが力が入っているような気がしてならない。それもまた末期的な話で、やはりこのまま行くとPHSではDDIPocketだけが生き残るのだろうか?しかし競争がないといいモノは生まれない。NTTDoCoMoにはぜひ今後もPHSを作り続けていってほしい。実際僕はDDIPocketのまわしものなのでNTTDoCoMoにはあくまでエールを送り続けるだけで、お金を払うつもりは一切ないのだが、じつは密かにP-link Stationのモニターに当選してしまったので今しばらくNTTDoCoMoの奴隷にならざるをえないような状況になっている。困ったものだ。

 ほんとは今月から611SをDDI登録してこの続きのレポートを書きたかったのだが、P-link Stationを3ヶ月は使い続けないといけないそうなので、その後でしか予算的に許されない。そのうちこの続きをDDI版として書くことになると思うが、その前にP-link Stationのレポートを書くことになりそうである。またそちらもぜひ読んでいただきたい。

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