移動体通信入門 転送メールの巻

電話番号
 携帯電話からメールを発信する人の多くが電話番号以外のメールアドレスの取得に消極的なように思う。もちろんこれを読んでいただくような読者であれば、番号以外のメールアドレスの取得は当たり前だと反論されるかもしれない。しかしやはり一般ピープルは電話番号のメールアドレスでたいして不都合を感じないようだ。

 ただ電話番号以外のメールアドレスを取得したからといっていいことばかりではない。もともと携帯電話で受信できるメールの文字数は非常に少なく、ほとんどメモ程度にしか利用できない。そこに普通のメールアドレスに送るのと同じ内容のものを送られても、ちょっと長い文章であれば完全に尻切れトンボになってしまう。これはまったくいただけない。しかもそれが携帯電話の番号がメールアドレスのものであれば、向こうも少しは気を利かせてくれるだろうが、電話番号以外の任意のアドレスの場合、多くの人がそれが携帯電話であることに気が付かず、長いメールを送る可能性は否定できない。実際そんなに長いメールを携帯電話に送ってもらって、それに長い返事を書こうと思っても文字数の制限もあるし、もし仮に長い返事がもし書けたとしても携帯電話のテンキーで誰が小論文クラスの文章を書こうなんて誰が考えるだろう?少なくとも僕はテンキーで長い文章を書こうと思う前にLibrettoを起動し、普通にメールを書いてしまうように思う。

 結局、長い文章が読み書きできるからといって、非常に制限の多いデバイスでそれを表示、また入力することは決して有効であるとは言い難いのである。

そこで転送サービス
 かといって文章が尻切れトンボでは、さすがに困ることも多い。だからといって今度は送ってくる相手すべてに”これは携帯電話です、200文字までしか送らないでください”と返信したところで、それは単に友達か仕事かどちらかを失う原因にしかならないだろう。それではあまりにリスクが大きい。そこでメールの転送サービスである。

 通常メールの転送サービスというとプロバイダのもので、単にメールを右から左に転送するという機能しかない。ある程度フィルタをかけられても、複雑な設定はほとんど無理である。しかしEmCmServiceのメール転送サービスは非常に細かい設定ができ、なおかつ時間ごとに更新された掲示板のデータを転送できるなど、+αの機能が非常によく行き届いている。しかも利用料金はかからない。これこそ本命といっても過言ではない。

 ただ条件がある。それは自分自身が利用しているプロバイダが転送サービスを行っていることが大前提である。EmCmServiceは非常に便利なメール転送サービスだが、プロバイダのサーバーにあるメールを取りに行ってくれる機能はついていない。プロバイダのほうで自動的に転送したメールを振り分け、そしてまた次のアドレスに転送するというのがEmCmServiceの特徴である。

 さらにホームページのデータ転送にしても特定のタグ(<!-- AllowEmCmAccess -->)が埋め込まれたページでないとページ転送サービスも行えない。ある意味不自由に感じるかもしれないが、基本的にこのサービスは指定された時間に任意のページに勝手にアクセスを繰り返すシステムなので、当然何もしなくてもインターネット上のトラフィックを悪化させることになる。そういう意味でのタグの埋め込みであり、ページの転送を許可する形態をとっているのである。ちなみにLIBRER友の会にはこのタグを埋め込み済みなので転送サービスを利用すれば、任意の時間に掲示板のデータを転送することが可能である。

比較
 EmCmServiceとDDIPocketのホームページ閲覧サービス、はたしてどちらが便利だろうか?僕自身は後者であるように思う。ただしEmCmServiceにもいいところはある。まず、いらないデータを抜き取った状態でメールに転送してくれる。さらに2500文字(いろいろ調べた結果送信は1000文字だが受信は2500文字までいける様子)を超過したぶんについては、分割転送という方式でメールを送ってきてくれる。PメールDXの情報サービスを利用した場合、1分13〜15円かかるうえに、ホームページのデータ一つ毎にこの金額がかかってくる。リアルタイムに見る場合には非常に有効なホームページ閲覧サービスだが、DDIPocketの推奨するオープンネットコンテンツとして登録されていないものについては、あくまでPメールDXのメール受信という形でのテキストのみ読み込みできるというものであり、当然割高になる。

 ところが同じPメールDX形式とはいえEmCmServiceのメール方式での転送サービスは、メールが何通も届くものの、PメールDXを利用する際の利用料金は30秒10円。しかもメール1通10円ではないので、定時になれば10円で(当然10円以上かかる場合もある)いくつものホームページをチェックすることが可能になってくる。しかもこのサービスは定時にチェックしたものが前の時から更新されていないようなら転送しない、という細かい設定もできる。リアルタイムに見ることはできないものの、あらかじめ定時チェックし新しいものだけを転送するという設定にしておけば、ほとんど携帯電話機だけでWebを巡回する手間がはぶけるという仕組みになっている。これは素晴らしい。

 ようはタグが埋め込まれているかいないかでEmCmServiceの利用価値がまったく違ってくるのである。システム的にはすでに完成された感があるので(携帯電話等へのデータ転送という限られたものだが)今後はこれに対応したページが一つでも多く増えていくことを望むばかりである。

 繰り返しになるが、当ぬりかべHPのLIBRER友の会、ならびにTOM.Kさん主催のWe are the Libretters掲示板は共にEmCmServiceに対応している。ぜひ転送メールの設定をする際に登録していただくことをお奨めしたい。

まとめ
 非常に残念なことに僕がメインに使っているBIGLOBEのメールアドレスは転送メールに対応していない。ただもう一つのメールアドレスが転送メールに対応しているので、プライベートなメールに関してはそちらにまわすように設定している。まあ、なによりBIGLOBEのメールアドレスはどこぞの名簿業者に売られ、しかもあまり賢くない業者がつまらないスパムを数限りなく送ってくるので、転送できたところで転送メールはスパムでいっぱい、なんて可能性もある。

 EmCmServiceを使うとこうしたスパムに対してもある程度自衛ができるように設定できるが、それにしてもやはりスパムを根絶することはまず不可能である。スパムを読むために10円投資するということがどれだけストレスになるかをメールを送り続ける業者にはわからせてやりたいところだ。これからはスパムというのがさらに当たり前になっていくような気がするが、それはどんどん我々にストレスを与え続けるためのものであり、法的にこれを取り締まるといったことをこれからは徹底していっていってほしい。ネット社会に関してはまだまだ無法地帯だからこそ、逆に倫理観が問われるように思うが世の中の多くはネット社会には倫理観が必要なしという誤解を抱いている人も少なくないようだ。実際スパムが耐えないのもそうした倫理観のなさからくるものだろう。

 僕自身はBIGLOBEの契約を解除し、メールアドレスの変更をしようかと真剣に考えている。しかしこれもまたイタチゴッコでいずれ同じことが起こるかと思うと、なんだか憂鬱である。最終的にEmCmServiceをはじめとする転送サービスを使用し、許可されたメールしか届かないように設定するしかないと思うと、折角多くの人と気軽に話せるコミュニケーションの場を取り上げられているようで非常に残念でならない。

 転送メールが壁になるのではなく、転送メールがもっと人と人とを繋ぐようになれば、さらにインターネットというものが面白くなってくるだろう。まとめのところでえらく陰鬱な話題に転じてしまったが、実際うまく利用すれば転送メールほど便利なものはない。そして転送メールの先には進化した携帯電話機が見えるはずである。PDAはもういらない。うまく転送メールを利用することができれば携帯電話機が真のモバイルツールになりえるのである。そしてそうなった時、今まで肩にずしりと重かったモバイルツールは今の半分も持ち歩かずにすむようになるのである。これぞ肩こりを治すには一番である。リストラ前のオヤジ連中にぜひ読んでほしい今回のレポートだが、実際にはそれを望むべくもないだろう。そして携帯電話機を便利に使いこなす若手の社員にオヤジはどんどんと椅子を奪われていくのである。ああ、オヤジが滅ぶ日もそう遠くはないだろう。がんばれ、オヤジ!

Back?