GPSレポート HGR1S vs GPSR5200 の巻

尾張名古屋は味噌カツだ
 名古屋の味噌カツはとてもうまい。なにより僕はとんかつ好きである。共食いと言われることも少なくないが、とにかくとんかつが好きなうえに、日本古来の食べ物である”味噌”がこれにミックスされた”味噌カツ”は僕の心に深い感動を与えることのできる最高の食い物の一つだと言っていい。それが名古屋にある。京都から約150km、高速を通ればたった2時間という場所に世界最高の味噌カツがある。さぁ食いに行こう・・・ということで早速旅に出た。

 もちろん旅の友にはLibretto。しかも今回はUSB接続のHGR1SとPCカードタイプの今となっては型落ちの感のあるGPSR5200。アンテナユニットが二つあるのだから当然Librettoも2台。これで旅の準備は完璧だ!

すべての道は尾張につづく
 斉藤道三といえば司馬遼太郎の「国盗り物語」の主人公である。一介の油売りから戦国武将になった人物で味噌カツのルーツはまさに彼にあると言ってもいい。きっと天然ごま油使用で味噌カツとえびふりゃあを開発し、さらには味噌煮込みうどんまで作ったに違いない。それは今まさに時を越えて僕の心に感動を呼んでいる。味噌カツが食いたい・・・たったそれだけのために僕は尾張への道を行くのだった。

 ただここで忘れてはいけないのは、このレポートは味噌カツレポートではなくGPSレポートであるということ。尾張に向かう道すがら、僕は味噌カツぼけで頭がまわらなかったわけではなく、しっかりとレポート書くためのデータもとっていたのである。このまま味噌カツレポートになったらどうしようと不安だった読者の方々、ご安心召されよ!

 では早速比較レポートをいってみたい。

▼HGR1Sの場合

▼GPSR5200の場合

 上がHGR1Sを使用時の画面、下がGPSR5200を使用時の画面である。どちらも味噌カツを目指して尾張に向かっている。

 測位するまでの時間はほとんどかわらず1分程度で測位。IPS5000以前のアンテナユニットが測位までに5分以上かかっていたことを考えると非常に高速。ストレスも感じない。これも2次元測位が可能になっているからだろう。もっとも初期測位に関しては2次元測位が有効ではないので単純に受信感度がいい、ということも言えるだろう。

 ところが天空図を見るとHGR1SとGPSR5200で随分差があるように感じられる。HGR1Sが3個しか衛星を捉えていないのに対して、GPSR5200は倍の6個の衛星を捉えている。これはアンテナの大きさの影響なのか?この後もテストを続けたが多くの場面でGPSR5200のほうが衛星を多く捉えていた。受信感度に関してはGPSR5200に軍配があがるのか?ただ、どちらも測位までに時間にほとんど差はなく、常に同じように衛星を追跡し続ける。結局どういう理屈なのかはよくわからないが、衛星の数に関してはあくまで画面上のことなのかもしれない。

 その証拠に車が停止している時にはHGR1Sを使ったナビは”0km/h”とちゃんと表示するのに、GPSR5200を使ったナビのほうは”0〜4km/h”と誤差が出る場合が多かった。この時にも衛星を多く捉えていたのはGPSR5200だったが、衛星からのデータの補正のかけかたの問題なのか、どうしても”0km/h”で安定することはほとんどなかった。衛星からのデータを正しく受信しているという意味ではHGR1Sのほうが勝っているのかもしれない。

ナビの実力
 名古屋市内でウロウロするのにもナビを使用した。もちろんテストも兼ねているので必要以上にナビを動かし続ける。しかしこれがなかなか大変でLibretto2台をヒザの上に載せて、時にはアンテナがずり落ちないようにキャッチしたり、はたまたあっちだこっちだと道路標識を確認しながら運転手にでたらめな指示を出したりしないといけなかった。困ったことに名古屋は何かと都市高速が発達しており、ナビは何かと都市高速に乗りたがった。それもそのはずで都市高速に乗らないことにはその下の道を走り続けることになり、都市高速に隠れて衛星が捕捉できずナビもまともに動かない。そうでなくてもビルの谷間じゃ衛星の捕捉が難しいのに、さらに都市高速の屋根はナビをするのに大きな障害となった。やはり素直に都市高速に乗ればよかった、などと言っても後の祭り。結局そのまま下を走り続け、まっすぐ走れば1時間で行ける場所に2時間かかってたどり着くといった有様だった。ナビも屋根があっては台無しだということをつくづく感じた。

 それでもやっぱりナビの力は偉大である。そしてここで言うナビとはSONYの「Navin'youVer4.0」である。僕はVer3.0からのアップグレードなのでVer3.5についてはよくわからない。ただそれでもきっとVer3.5からでも十分にグレードアップしているに違いない。そもそも地点検索などの検索方法がより使いやすくなった。具体的にどこがどう変わったかというと難しいが、細かい点でいろいろ改善されていることがよくわかる。中でも便利なのは電話番号からの検索で、史跡名所でなくても電話番号からある程度の地点を検索してくれる。ちなみにこの機能を使って、名古屋市内にあるらーめん屋を探し出し、見事たどり着くことができた。

 アドレスキャッチャーというアプリケーションを常駐させることで、インターネットで取得したリアルタイムな情報からもすぐに場所を検索するというのが面白い。もちろんこれはインターネットでなくても可能だが、リアルタイムな情報との連携という意味ではインターネットを念頭に置いて開発されたものであることは明らかである。

 一番すごいと感じたことはLibrettoのスピーカーからもきれいに案内の声が聞こえてくることだ。もともとSONYのVAIOシリーズのスピーカーはそれなりにいい音が出る。当然、以前のバージョンのNavin'youの案内音声でも十分に聞き取ることができた。ところが今回Librettoでも明らかに音がよくなっている。SONYの開発陣はきっとLibrettoをもターゲットにして商品開発を進めているのだ。ここまでやってくれるとNavin'youこそLibrettoの相棒だという気になってくる。ここでほんとならVAIO-C2GPSに鞍替えしてほしい、というのがSONYの本音だろうが、僕の場合はそうはいかない。僕はやっぱりLIBRERなのである。
 
市街地走行
 市街地では受信感度にそれほど差は見られない。どちらも衛星を受信することすら難しいといった場面が多く、ナビがナビにならないこともしばしばである。それでもどちらもまさに一生懸命、ビルの合間に見え隠れする衛星からの電波を受信しようと躍起になっている様子だった。その証拠に衛星からの電波を受信した時などは答えのわかった小学生が手をあげるがごとく、ほぼ同時に「次の交差点を曲がれ」と突然指示してくれるのである。

 市街地では逆に後ろと前にアンテナを設置し、砦の見張り台のようにそれぞれの担当を決めて見張らせるのがいいのかもしれない。ただそれもえらく割が悪い話ではないか。Libretto2台にアンテナ二つ、どうみたってまともな人間のやることじゃない。ナビの実験マニアならともかく、普通に走っている時にそれじゃ大変だ。そういう意味でもやはりD-GPS対応のIPS8000あたりが市販されることを望みたい。さらに言えばVICSをパソコンナビにも解放して対応のGPS受信機を出してきて欲しい。最終的にはジャイロ機能もとってつけてパソコンナビの完成型ができあがる。

 しかしそうなるとさすがのミニノートもナビなのか、パソコンなのか、判別不能な状態になるくらい大きなものになっていくのではないだろうか。現在のカーナビシステムにしても結局見えているのがモニター部分とリモコン、それにアンテナ部だけなのでたいして大きいようには感じないが、CD-ROM/DVD-ROMドライブ部分、さらにはその他のユニット部とあわせると決してLibrettoよりも小さくはない。

 Librettoという限られた大きさの中で十分なナビが行えるという現実だけでも十分に満足し、感謝し、祈りを捧げるのが本当の信仰と言えるのかもしれない。

まとめ
 衛星の数は明らかにGPSR5200のほうが多く捉えている。ただしHGR1Sがこれに劣るというわけではなく、どちらも十分にその機能を果たしている。逆に言えばGPSR5200は旧型だが、まだ十分に使えるアンテナユニットであり、HGR1Sは小さいがGPSR5200という大きなユニットにも負けない力を秘めている。ただHGR1Sに関してはUSB接続なので従来型のLibrettoには使用できない。従来型のLibrettoにはGPSR5200、もしくはI/OデータのPCGPSという選択になるだろう。

 ついでなのでI/OデータのPCGPSについても少し書いておく。PCGPSはD-GPSに対応していることが売りだが、これについてはいまだにD-GPSユニットが発売されていない。それにD-GPSの補正データを受信するにもはたしてVICSほど流れているのかどうかという問題もある。かといって補正データを受信するのにNifty経由でデータとりにいったり、データ受信料がかかるといった具合では使えない。なによりPCGPSに関しては大阪にいても千葉県に自車位置が表示されるという致命的な欠陥のために回収騒ぎにまでなっていた。受信感度はそれなりのようだが、これもIPS8000が正式に市販されれば完全に駆逐されてしまうことは否めない。

 話を元に戻そう。

 HGR1Sのアンテナ部は従来のアンテナ部に比べて非常に小さいので、受信感度がはたしてどうだろう?という懸念があった。しかし今回いろいろ走ってみてHGR1Sの実力が予想以上であることがよくわかった。もともとIPS8000の廉価版ということなのでその実力を疑う余地はないのだが、それでもやっぱりこんなに小さいのに?という驚きはあった。さらにはUSB接続で不具合はないのか?という問題もあったが、もともとアンテナからの信号は速さを必要としたものではないので、USB接続という選択は非常に理にかなったものであることがよくわかる。ただし対応OSがWindows98オンリーというのはどうだろう?iBookで使える必要があるとは思えないが、せめてWindows95でも使えるようにドライバを供給してほしかった。これについては前回と同じ愚痴になるのでここでやめにする。

 蛇足だがSONYの製品では他にVAIOカメラがある。これもUSB接続だが、こちらはVAIO以外では使えないようだ。これでVAIOカメラも使え、ffのリモコンまで使えるようになれば、LibrettoM3の価値もグンっとあがるというものだが、残念ながらまだそこまでには至っていない。それでもやっぱりきっとそのうち本州の向こうのほうから歓喜の声があがると信じて疑わない。


 ちなみに今回じつは味噌カツを口にすることはなかった。えびふりゃとらーめんというこれまた質素なレパートリーを開拓するに至っただけで、尾張名古屋の旅を終えたのである。しかしやっぱり尾張名古屋と言えば味噌カツと味噌煮込みうどんである。そしてこれからもまたおいしいものを目指して全国各地を行脚したいと思っている。もちろんその時にLibrettoとアンテナユニットは忘れずに。

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