HDDまるごとBackup -DriveImageの巻-

◆LibrettoのHDD換装
 Librettoの場合、HDDの換装は思った以上に簡単だ。8.45mm厚のHDDが標準の20/30/50/60でも同じ東芝製の2.1GBならば、取っ手をつけかえるだけでそのまま換装することが可能だし、9.5mm厚のIBM製のHDDでも70/100にはそのまま、それ以前のLibrettoでは裏蓋の加工、もしくは交換するだけで換装が可能である。小さいノートPCにしては本当に便利に創られたマシンであると言っていい。

 しかし、HDDの物理的換装はそれなりに簡単でも、換装以前の環境をもう一度構築することははっきりいって至難の業だ。データのバックアップはともかく、ドライバを再度入れ直したり、細かい設定をしなければいけないなど、手作業で復活させないといけない部分が少なくない。HDD換装が趣味で、なおかつこういった設定をし直すのが苦でないという方は問題ないのだが、少なくとも僕は頭の線が切れそうになる。

 そこで考えたのがHDDのまるごとバックアップ。もともとほほえみくんのペンデバイス用の拡張ドライバディスクなどというのが存在しないので、構築したほほえみくんの環境をまるごとバックアップしなければいけなかったというのがほんとのところ。とにかくHDDをまるごとバックアップし、新しい大容量HDDにそのまま環境を移行したい、そのためにはどうすればいいのか?

テスト環境
マシン:Libretto20
SCSIカード:Adptec1460J
PDドライブ:ICM
FDD:純正FDD
*FDDについては基本的に必須。母艦があり、そちらで直接HDDの中のconfig.sysを編集できるようなら必要ないかもしれない。ポートリプリーケータがあれば更に便利だが、なくてもバックアップ・レストア共に可能。

◆PCMCIAを認識させる
 ちょうどそんな時、NetJapanの”DriveCopy”というソフトを発見。しかも6000円と値段も手頃。これだあああっと小躍りしたのもつかの間、HDD→HDDは問題ないとしてPCMCIA経由での動作は保証していないとのこと。こ、これはいけない・・・値段も安くてお手軽なのに・・・

 で、次に目をつけたのが”DriveCopy”と同じNetJapanの”DriveImage”。これがなかなかよくできたソフトで、PCMCIA経由もサポートする他、HDDの大きさにあわせたデータの圧縮・解凍という無茶も可能。こ、こりゃいける!

 ということで早速、購入。Librettoにインストールだぁああっ!

 しかし、このソフト、95窓からインストールするのだが完全DOSモードでの動作となる。当然、95窓上で認識しているデバイスもDOS上では認識していないというジレンマに陥る。じゃ、ドライバをつっこめばいい、という話になるのだが、Librettoの場合、これがそう簡単ではない。なぜならLibrettoにはPCMCIAをDOS上で認識させるためのカードマネージャーが付属していない。

 デスクトップの場合は、マザーボードにゴソっとSCSIボードなどを差し込むのでPCMCIAという理屈は必要ないのだが、LibrettoなどのノートPCの場合、SCSIカードなどのデバイスを認識させるためにはどうしてもPCMCIA経由でないと使えないというジレンマがある。通常の95窓の場合、95窓用のカードマネージャーが勝手に動いているので問題ないのだが、DOSモードの場合はPCMCIAをどうしても手作業で認識させなければいけない。

 IBMのThinkPadなどにはそのへんちゃんと考えているのか、OS/2をインストールする際に必要なのか、カードマネージャーがはじめから付属しているのだが・・・最近のマシンは窓ONLYというものが少なくなく、Librettoもその例にもれず”Windows95の動作”しか保証されていない。うまい具合にPCカード自身のドライバがあったとしてもPCMCIA自身を認識させられないことにはどうしようもなく、かといってメーカーは”Windows95”のみの動作保証なのでカードマネージャーを配布してくれるとも思えない。ではいったいどうすれば??

 解決方法としては二つ、東芝のサービスセンターを襲撃、カードマネージャーを出せと脅かすか、IBMのPC-DOS J7.0/Vを購入しこの中に付属しているカードマネージャーを利用するか。裏技として過去のマシンに付属していたカードマネージャーを使用するというのもあるが・・・一般的にはPC-DOSの購入が道理というもの。これでPCMCIAは安心だっ、ついでにPC-DOSも手に入って一石二鳥?

 しかし、PC-DOSも安くない。悩みは少なくないが、じつはリカバリCDを購入したLIBRER諸氏はPC-DOSを購入する必要はない。リカバリCDの起動DISKの中にちゃんとカードマネージャーが入っている。この貴重な情報はby町田でカレー屋出店をもくろむKAZUAさんから教えていただいた。そんなこともあって、もし町田にカレー屋「インドの手前」ができた日には、みんなぜひKAZUAさんに感謝と哀悼の意を表し、5倍カレーを食べにいくことを約束していただきたい。

 とにかく必須なのはPCMCIA用カードマネージャー。これがないことには始まらない。

◆ようやく導入
 とりあえず、まずは95窓上からDriveImageをインストールする。これについてはとっても簡単。インストールするとDI101JというフォルダにDriveImageが一式入っている。これはあとでそのまま利用する。

 次にもしもの時のためにWindowsの起動DISKを作製しておく。これを作っておかないと、もし失敗した場合けっこ〜悩むことになるので保険のかわりに絶対必要。

 そしてPCMCIAのカードマネージャーおよび、SCSIカード類のドライバなどを入れる。入れると言っても、簡単ではないかもしれない。PC-DOSの場合、PCMとうフォルダの中にカードマネージャー用のPCM+というインストーラを利用すると簡単にインストールできるが、リカバリCDの起動DISKからカードマネージャーを移植する場合は、全部手作業で行うことになる。ちなみに僕のconfig.sysの設定は次のようになっている。

 DEVICE=C:\BACKUP\PSMSS.EXE
 DEVICE=C:\BACKUP\PCMCS.EXE

 DEVICE=C:\BACKUP\SCSI.EXE
 DEVICE=C:\BACKUP\SCSI.SYS

 この場合、CドライブにBACKUPというフォルダを作り、先にそこにドライバ類を移動させておいて、config.sysでそれを指定するようにしておく。config.sysの元はWindowsの標準のconfig.sysを使う。なぜならそれほうが間違って設定を削除することがなく、また簡単に復活が可能だからだ。使わない部分についてはREMで読み込まないように設定しておく。

REM 日本語環境
 DEVICE=BILING.SYS
 DEVICE=JFONT.SYS /MSG=OFF
 DEVICE=JDISP.SYS /HS=LC
 DEVICE=JKEYB.SYS
 DEVICE=HIMEM.SYS
 BUFFERS=40
 FILES=40
 DOS=HIGH,UMB

 DEVICE=C:\backup\EMM386.EXE

REM PCMCIAドライバ
 DEVICE=C:\backup\CNFIGNAM.EXE /DEFAULT
 DEVICE=C:\backup\PCMSS.EXE
 DEVICE=C:\backup\PCMCS.EXE

REM SCSIドライバ
 DEVICE=C:\backup\ASPI2DOS.SYS /D /PCMCIA /Z /L
 DEVICE=C:\backup\ASPIDISK.SYS /D
 DEVICE=C:\backup\ASPICD.SYS /D:ASPICD0

REM FDDドライバ
 DEVICE=c:\backup\PCMCIAFD.SYS /COMBO=N /0

 これで日本語環境のDOSモードで起動できるようになる。autoexec.batについては、autoexec.w95など適当に名前を変更しておいて、これも動かないようにしておく。マシンを再起動した後はすべてDOSモードで操作することになるので、基本的に間違いは許されない。最悪の場合、さきに作製した起動DISKを使って起動、DOSのエディタを起動してCONFIG.SYSを変更するということに。

 config.sysで指定したドライバ類をまず一枚のDISKにまとめてコピーしておく。そして最後にDriveImageを大容量メディアのほうに(DISKでも可)コピーする。これを忘れるとはじめからやりなおしになるので、忘れないように何度も確認する。

 最後の最後に、Cドライブのconfig.sysのバックアップをとる。config.sysはそのままの設定で使うのでバックアップを取っておかないと、頭の中の記憶を頼りにもう一度config.sysを書き直すことになる。はっきりいって無駄だ。ま、できないことはないので腕に覚えのある人はconfig.sysのバックアップなどというのは不必要かもしれない。

◆バックアップをとる
 すべてが完了したら、マシンを再起動。その再、F8を押しながら立ち上げ、メニューが出たら[6.COMMAND PROMPT ONLY]を選択し、窓を殺して起動する。うまくいけば、キーボードのモードを聞いてくるので、左上の半/全キーを押して日本語106キーボードを選択、日本語モードでDOSを起動する。するとPCMCIA続いて、SCSI機器を次々と認識していく。

C>

 コマンドラインが出て、起動が完了したら、今度はすかさず、大容量メディアが割り当てられているであろうDドライブに移動する。そこからCD DI101Jと入力し、フォルダの中に潜入する。潜入次第、PQDIJと入力しDriveimageを起動、Cドライブをバックアップする。

 バックアップ作業についてはDriveImageのマニュアルを参照してほしい。指示に従って進めるだけなので特別な注意はないが、もし大容量メディアの中に必要なファイルがある場合は、パーテーションを削除しないようにする。これを忘れると大容量メディアの中身がすべて消えてしまうので、注意しないといけない。

◆リストアする
 バックアップが完了すれば一安心だ。次に換装用のHDDをFDISK、FORMATし、換装する作業に移る。FDISKの際には”大容量DISKのサポートを可能にしますか?[Y/N]”ときいてくるが、必ず”N”を押して、FAT16の環境を作る。続いてHDDをFORMAT。

 FORMATできたら、バックアップの準備の時と同じに、今度はドライバ類を適当なフォルダを作って(例の場合は”BACKUP”というフォルダ)、そこにコピーする。

 次にconfig.sysを編集する。基本的にバックアップしたconfig.sysの中身をコピーするだけなので特別な問題はないはずだ。

REM 日本語環境
 DEVICE=BILING.SYS
 DEVICE=JFONT.SYS /MSG=OFF
 DEVICE=JDISP.SYS /HS=LC
 DEVICE=JKEYB.SYS
 DEVICE=HIMEM.SYS
 BUFFERS=40
 FILES=40
 DOS=HIGH,UMB

 DEVICE=C:\backup\EMM386.EXE

REM PCMCIAドライバ
 DEVICE=C:\backup\CNFIGNAM.EXE /DEFAULT
 DEVICE=C:\backup\PCMSS.EXE
 DEVICE=C:\backup\PCMCS.EXE

REM SCSIドライバ
 DEVICE=C:\backup\ASPI2DOS.SYS /D /PCMCIA /Z /L
 DEVICE=C:\backup\ASPIDISK.SYS /D
 DEVICE=C:\backup\ASPICD.SYS /D:ASPICD0

REM FDDドライバ
 DEVICE=c:\backup\PCMCIAFD.SYS /COMBO=N /0

 さきほどと同じものだが、これをカット&ペーストし、起動するHDDのconfig.sysの一番後ろに付け加え、他の部分についてはすべてREMをはじめに加え読み込まない設定にしておく。用意ができれば再起動。

 再起動後、バックアップ時と同じように、キーボードの種類をきいてくるので、左上の”半/全”と書かれたキーを押して106キーボードを選択。

C>

 と表示されればひとまず成功。Dドライブに移動し、DriveImageを起動する。レストアを選択するとどういう状態でレストアするかをきいてくる。基本的にバックアップしたHDDの内容そのままに、大きくなった容量分まで領域を確保させることになると思うので、”ドライブのサイズにあわせてレストア”を選択する。うまくいけばそのままレストアがはじまる。Cドライブのパーテーションを作成し直すか?という選択が出てきたら”Y”を選択し、パーテーションを作成し直す。その後、レストアがはじまる。

 バックアップしたHDDがFAT32形式のものであれば、FAT32でレストアされ、FAT16ならFAT16でレストアされる。はたしてFAT16で2GB以上の場合は、どうなるのかわからない。テストでは東芝の2.1GBの2104MATを使用したので、それ以上のものについては未確認。

◆レストア後
 レストアしたHDDのままではじつは以前の環境は戻ってこない。config.sysを変更したままHDDをバックアップ・レストアしているので、レストア後、まずはじめに目にするのはWindowsではなくDOSの画面である。エディタを使って、config.sysを元に戻すことで、やっとWindowsの起動画面を見ることができる。

◆まとめ
 なんだかややこしいように思うかもしれないが、HDD換装後に前と全く同じ環境を構築するまでの時間を考えれば、はるかに短い時間で以前と全く同じ環境で、なおかつ広々としたHDDを手にいれることが可能である。これくらいの手間は手間のうちには入らない。少なくとも僕はもう”やめられない”(笑)。

 一番の問題は95窓環境が当たり前の世の中で、DOSモードでしかも普通の人には難解な操作をしないと動かせない点だろう。それとFAT16→FAT32への移行、またはFAT32→FAT16への移行はできないようなので、レストア時にそれが可能になれば更に便利になるのではないだろうか。

 じつはLIBRERの場合はPCMCIAのカードマネージャーを手にいれるのが一番大変という話もないことはないが、それさえ手に入れれば、けっこ〜簡単に導入可能なので、ぜひ試してほしいソフトの一つである。

 問題点も多いが、とにかくこの便利さは一度使うと病みつき状態。素晴らしいソフトを開発されたプログラマーの皆様、並びに関係者の方々にはぜひ一度お会いしてお礼を言いたいくらいだ。余裕のあるLIBRER諸氏はぜひ遊んでみてほしい。

◆裏技
 じつはよくみるとconfig.sysの最後の行にFDD用のドライバの記述がある。これはポートリプリケータをとFDDを使った場合、カードマネージャーを読み込んだ途端、FDDが使えなくなるので、これを回避するための安全策である。ポートリプリケータとFDDを持っていれば、HDD内のconfig.sysを書き換えることなく、バックアップおよびレストアが可能なのだ。ただし、その場合もドライバ類をHDDにコピーするといった作業は必要だが。

*多謝*
 CONFIG.SYS監修 JOEさん
 カードマネージャー情報提供 KAZUAさん

Back?