「Libretto対抗機」
Libretto発売後、1年と半年。やっと他のメーカーもLibrettoの売り上げが無視できない
と気がついたのか対抗機種を発売してくる。その最大の敵がNECだ。
NECが出してくる機種について詳細は、現時点(97/09/29)わかっているだけで、HDD
は1.6GB以上、Librettoで使い勝手の悪かったPCカードの挿入口の位置変更、本体は
シルバーのツートンカラー、スティックタイプのポインティングデバイスに液晶はTFTでは
ないということ。これくらいだ。
東芝には以前にも苦い経験がある。DynaBookショックだ。
DynaBookは東芝のノートパソコンの名称である。何年か前、東芝はDynaBookでPC98
シリーズ以外にもビジネス用途で活躍できるパソコンがあることを一気に世に知らしめた。
DynaBookJ3100SSがそれだ。このマシンの素晴らしいところはIBM互換機なのにJust
SystemのATOKが標準装備されていたことだ。当時DOSベースのマシンで日本語環境
が完全に動作するのはNECのPC98シリーズくらいだった。そこに日本語を動かすことの
できるIBM互換機という機械の登場である。今でこそマシンパワーがあがりソフト的に、
日本語変換ができるようになっているが、当時は漢字ROM搭載のPC98シリーズだけが
これを可能にしていたのだ。
そこに登場したDynaBookJ3100SS。しかもノートパソコンとしては断然小さかった。昔話
ばかりで恐縮だが、当時ノートパソコンとは言わず、ラップトップパソコンだった。ひざの上
に置いて使える小さなパソコン、それがラップトップパソコンと呼ばれていた。しかし、そこ
に本格的なノートパソコンと呼べるマシンの登場である。スペック的にも申し分なく、予想
以上に快適に動作した。そして値段もそれほど高くなかった。僕自身、その頃しごくほしい
マシンの一つだった。
ところが・・・J3100SS登場後すぐにNECから対抗機種が発売された。PC-9801Nがそれ
である。値段も特別高くなく、今までの98シリーズのソフトが動作するマシン。企業はこぞ
ってこれを導入した。一番の違いは液晶だった。J3100SSの見難い液晶に対し、98Nは、
視認性の高いバックライトの明るい液晶(正式名称は忘れてしまいました)を搭載。目に
やさしく仕事のできるマシンとして一気に広まった。J3100SSは影が薄くなり、徐々に在庫
が目立つようになった。DOS/V全盛の今、東芝のノートは世界一のシェアを誇る(東芝談)。
しかし、あの時は違ったのだ。
今回のNECの対抗機種に対し、東芝が本気で反撃しないと勝てないことは明らかだ。企業
のトップはオヤジである。オヤジといえば98シリーズ、オヤジといえばメイド・イン・ジャパン、
オヤジといえばパソコンはNECできまりなのだ。オヤジの耳に「りぶれっと」という美しい響き
は届かない。東芝もそれはわかっているはずだ。
ウワサでは今回のNECの対抗機種、MOBIOは裏切りナシでHDDを3GBくらいまでは換装
可能だという話である。拡張性の高いデスクトップマシンが標準で2GB以上のHDDを搭載
している昨今、拡張性の低いノートパソコンはさらに大容量のHDDであり、メディアが必要
になってくることは明らかである。Librettoで裏切りをするのはマニアだけである。通常は、
標準搭載のHDDでまかなうのが普通だ。ということははじめから大容量HDDを搭載してくる
MOBIOはLibrettoにとって十分に驚異になりえる。
やはり最低でもMMXPentium133MHz、HDD1.6GB以上、RAM64M以上と押さえるところは
押さえて新型を出してきてほしい。確かに厚みが増し、バッテリーでの駆動が短くなるのは
許し難いが、茶を濁しているようではNECにまたも駆逐されてしまう。
しかもここ最近、98シリーズが鬼門だったNECが、98シリーズの規格を捨てて出してくる
マシンだけにその潜在能力というのは計り知れないものがある。
新型Librettoに大いに期待したい。そしてその早期発売を実現してほしい。なぜなら、今、
発売しないと年末商戦には定価売りに近い値段での販売になってしまう。消費者にとって
は、やはり安いにこしたことはない。Libretto50から10ヶ月近くが経過、すでに新型を開発
しているはずだ。東芝よ、今ここでがんばってくれないとLibrettoを看板にしているぬりかべ
HPにも少なからず打撃があるのだ。ぜひ、がんばってほしい。